VIRGIN HARLEY | 全米中のバーン(納屋)の中に眠るバーンファインドお宝バイク 特集記事&最新情報

取材協力・写真提供/ディスカバリー・ジャパン株式会社 文/池田 伸 構成/HOTBIKE JAPAN.com編集部
掲載日/2014年4月28日

 

 

ピカピカよりもボロボロの方が
価値も価格もはるかに高い

 

日本において、メイド・イン・アメリカのビンテージバイクが人気となって久しい。その王道であるハーレーダビッドソンを例にとるならば、1936年から47年にかけて生産されたナックルヘッドや、48から65のパンヘッドが人気の中心。最低でも数百万、30年代のモデルともなれば一千万円を下らないプライスタグが下がる。

 

古いモデルだけにコンディションは多様だ。もちろん市場に出回るビンテージモデルは走行可能な状態に整備されたものがほとんどだが、新車同様のフルレストアから経年変化による錆や傷が無数に刻まれたものまで実にさまざま。そしてその価値を語るときに欠かせないのは“オリジナル度”である。

 

ハーレーダビッドソンは30年代に生産されたモデルですら、エンジン/外装を問わず修理のためのあらゆるパーツを手に入れることができる。それゆえレストアするのは容易いのだが、マニアの間では社外メーカーが製造しているリプレイスパーツを多用し美しく仕上げられたレストア車両よりも、当時のまま残ったオリジナル車両が最高の評価を受けるため、ピカピカよりもボロボロの方が価値も価格もはるかに高いという、一般的には信じがたい逆転現象が常識となっている。古い納屋の中に当時の姿のまま何十年もほこりまみれで放置されたような純正旧車は、まさしく「お宝」なのである。

 

全米の納屋に眠る“お宝バイク”を探し出し、
修理して走らせるというマニア垂涎のドキュメンタリー

 

バーンファインド=納屋で見つける。この物語は、ノースカロライナ州でビンテージモーターサイクルのミュージアムを営むデール・ウォークスラーが、全米中の納屋の中に眠る“お宝バイク”を探し出し、購入し、修理して再び走らせるというマニア垂涎のドキュメンタリー。番組中にデールとともに「WOW!」と声を出してしまいそうな“発掘”にまつわるシーンの連続である。

 

デールの息子であるマットがある日、インターネット上で売りに出されたクロッカーのエンジンを目にして出品者とコンタクトを取り、デールは往復5000kmのカリフォルニアにトレーラーをけん引したトラックを走らせる。到着した納屋には砂埃がうずたかく積もった1915年式のT型フォードと山のようなパーツ。もう一つの納屋には1909年式のキャディラック、そしてクロッカーのエンジンが置かれていた。WOW!

 

クロッカーは1930年代の半ばから40年代初頭にバイクを製造したメーカーで、総生産台数は100台に満たないと言われている。長い間忘れ去られていた存在だったが、次第に希少価値が認められてカルト的人気となり、4、5年前に15万ドルだったのが3年前には30万ドル、2年前には100万ドルの値がついたという。WOW!

 

デールはフォードとキャディラックを含めてすべて買い取ることに成功。納屋からキャディラックを出してエンジンの状態を確かめようとクランクを回すと、プラグを握った手がびりっと感電して錆声を上げるデール。これはひょっとするとエンジンがかかるかも、とキャブレターのフロートにガソリンを満たして力いっぱいクランクを回すと……ボッ、ボッ、ボッ、ボボボーッと火が入った。WOW!

 

こんな第1話に始まり、100年前のハーレーダビッドソン、インディアン、大量のパーツが眠るバイクショップなど、目を疑いたくなるようなお宝発掘劇。レストアや走行シーンなど見どころ満載。モータリゼーションが文化として確立しているアメリカの奥深さを実感できるシリーズでもある。必見です!

 

(C)2014 Discovery Communications, LLC.

 

WHAT’S IN THE BARN?(新シリーズ) 30分番組/全8話
毎週木曜よる11時放送

 

 

  • #1 クロッカー・エンジン

    バイクや車のコレクターが生前に集めた大量のコレクションがあると聞いたデールは、早速現在の所有者のもとへと向かう。そのコレクションの中には希少なクロッカーのエンジンがあるかもしれないという。

  • #2 1912年式インディアン

    オークション出展用にバイクや車の鑑定を頼まれたデール。その中から1912年式のインディアンを購入したデールは、近々開催されるビンテージバイクレースにそのインディアンで出場することにした。

  • #3 伝説のバイク店

    1993年のある日、バイク店を経営していた夫妻が何者かに殺された。その後、彼らが所有していたバイクやパーツは常連客が買い取り、店を続けていた。そこにハーレーのパーツが大量にあったことを思い出したデールは……。

  • #4 100年前のハーレー

    100年前に製造されたハーレーの持ち主がデールの助けを必要としていた。バイクをオークションに出せるよう修理して欲しいという。デールは買い取りを望むが、オーナーは入札方式を取り入れ高値が付くことを望んでいる。

  • #5 ダベンポート・スワップミート

    ダベンポートで開かれるスワップミートにはアメリカ中からレアなバイクやパーツが大量に出品される。貴重なクロッカーまで見ることができ、バイクのコレクターにとっては夢のようなイベントとなっている。

  • #6 ピーシューター

    博物館からそう遠くない店で珍しいバイクが売られているという情報を得たデールは早速確認に向かう。そこは第二次世界大戦時代の軍の放出品を取り扱う店だった。とてもお目当てのバイクなど置いてそうにないが……。

 

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