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もっとスポーツスターが楽しくなる!サスペンションカスタムで遊び尽くす

2016年ハーレーダビッドソンの新型モデルとして登場したXL883N アイアンとXL1200X フォーティーエイト。この2モデルをはじめ、2016年スポーツスター全車種に標準装備されているH-D純正パーツ『プレミアムサスペンション』について、これらモデルに備わる280mm仕様のほかに、純正カスタムパーツとして340mmのスタンダード高と300mmのロープロファイルの2バージョンがラインナップされているのをご存知だろうか。今回、スタンダード高の340mmをテスター愛用のスポーツスターに装着し、そのライドフィールを探ってみた。

インプレッションマシン

2008年式 XL1200R

インジェクション仕様のラバーマウント・スポーツスターで、大阪のカスタムショップ トランプサイクルにてフルカスタム。一度ローダウン仕様のレーサースタイルを経て、前後を高く持ち上げたストリートレーサーとなった。フロントにはトランプ製フォークキット ストリートスペックが、リアにはオーリンズ製Type S36DR1Lが備わっている。

今回、H-D純正パーツの[プレミアムライドシングルカートリッジフォークキット]と[プレミアムライドエマルジョンリアショック]へと交換を試みた。リアは336mmから340mmとアップし、フロントも本来はやや下げ気味だったものが立ち上がった印象に変わった。これは2015年モデルまでラインナップされたXL883Rと同じサイズである。

プレミアムサスペンション 長さ比較 [ XL1200R × XL883N ]

足着き、シルエット……
スタイルを左右するサスペンション

テスター:身長174センチ

プレミアムサスペンションを装着したXL1200R(スタンダード高340mm)と、同製品が標準装備される2016年式 XL883N アイアン(280mm/以下アイアン)を比較してみた。その長さが6センチも違っていることから、足着き性の違いは歴然。どちらもしっかりと地に足が着いているものの、比較的足が真っ直ぐ伸びているXL1200Rに比べて、アイアンは膝が“くの字”に曲がるほどの余裕がある。

そしてハーレーに乗るうえで重要になるスタイルについて、とりわけリアのシルエットは違うモデルかのような印象である。どちらも16インチホイールながら、リアタイヤを覆うようなまとまりのあるアイアンに対し、リアフェンダーやシートがグンと持ち上げられたXL1200Rはシルエットよりも機能性を選んだ結果のビジュアルとなっている。

同じ製品でも選ぶ長さによって、性能とスタイルがここまで変わる。それはつまり、サスペンションの選び方次第で性能重視型かスタイル重視型のいずれにも対応できることの裏返しでもある。アイアンにスタンダード高のプレミアムサスペンションを取り入れれば、かなりスポーツ志向の高いモデルへと変えることができる。こんなカスタムが楽しめるのもスポーツスターならではと言えるだろう。

2008年式 XL1200R

2008年式 XL1200R
2008年式 XL1200R
2008年式 XL1200R

2016年式 XL883N

2016年式 XL883N
2016年式 XL883N
2016年式 XL883N

プレミアムサスペンション インプレッション

その性能を引き出すのはやはりストロークの長さ
シングルカートリッジ式フォークの機能性に驚嘆

交換した直後の率直な印象は、「思っていた以上にハード(硬い)」だった。組み付け直後がガチガチなのは当然ながら、以前からハードな仕様のハーレーサスペンションを知るだけに、その性能に対してやや懐疑的な印象は否めなかった。

ところがいざ走り出し、テストということで路面のギャップや橋の継ぎ目、マンホールなどの段差にわざと飛び込んでいったのだが、確かにややハードな受け止め方ながら、しっかりと衝撃を吸収してスマートにクリアしていってくれるではないか。最初の方はまだ半信半疑だったが、何度繰り返しても衝撃後の動きの乱れがなかなか落ち着かないということはなかった。想像以上の性能の驚いた。

特に驚かされたのが、シングルカートリッジ方式を採用したフロントサスペンションだ。2016年のアイアンとフォーティーエイトにはこの最新サスペンションシステムが採用されているが、XL883R仕様の長さを得た新型フォークシステムはその2モデルでは味わえなかった効果を発揮してくれた。

リアサスペンション以上に重要と言われるフロントサスペンション。その理由は一体化しているハンドリングへの影響の大きさからで、障害物を乗り越える際に衝撃をしっかり緩和してくれないと、ライダーが自身のライディング技術でコントロールせねばならなくなる。バイクを操るうえで当然のことではあるが、とはいえグレードの高いサスペンションが備わっていれば、その分ライダーの負担は軽減するのだ。

衝撃を受けた際のフォーク内の乱れた動きをより早くコントロールするためのシステム「シングルカートリッジ方式」を採用した最新のフォークキットとともに、何度か路面の大きなギャップにわざと突っ込んでみた。すると衝撃を受けたあと、こちらが思っている以上の速さでフロントフォークの動きが落ち着きを見せたのだ。それも、カチっとした固いものではなく、剛性を感じさせつつもしなやかな動きで。

前後とも長いサスペンションに換えれば、走行性能があがるのは当然のことだ。280mmと340mmではその差が6センチもあり、それこそが路面のギャップを超えた際に生じる衝撃緩和の幅となる。同じプレミアムサスペンションと言えど、機能を比べるにあたって“長さ”というハンデはアイアンの立場を難しいものにする。

コーナリング時のXL1200Rとアイアンを見比べてみると、まだまだ余裕があるXL1200Rに対し、アイアンはステップ下部に備わるバンクセンサーが路面すれすれの位置に来ている。ステップ位置の違いがあるため(テスターマシンはバックステップ仕様)バンク角を同列では語れないが、それぞれのメリットとデメリットという点では参考になるかと思う。

カスタムスタイルの指標でもあるロー&ロングをDNAに持つアイアンは、抜群の足着きの良さに加えてスポーツスターらしい美しさを有しているものの、バンク角が小さい、短いショックゆえに吸収しきれなかった衝撃がライダーに蓄積されるなど、性能面ではストロークの長いサスを備えたモデルにはないデメリットも存在する。カスタムの際は、それを踏まえた使い分けが大事になってくる。

もしアイアンにスタンダード高のプレミアムサスペンションを換装すれば、昨年までラインナップされたXL883Rよりも“走り”そのものを楽しめるスポーツスターができるに違いない。それもまた新たなカスタムのあり方だと言えよう。

XL1200S以来となるスポーツスター用のシングルカートリッジ方式フロントフォークキット。その性能は驚くほどに高く、スポーツスターのグレードをワンランプアップさせる。
前後の長さが変われば、クルマと違って“寝かせて曲がる”ことが基本動作であるバイクのバンク角(コーナーで倒し込んだ際の路面と傾いているバイクとの角度)は大きく異なってくる。それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、好みのスタイルを選べば、ハーレーに乗る楽しみはさらに増す。

プレミアムサスペンション セッティングのポイント

■ フロントサスペンション

出荷の段階で「ベストな状態」とカンパニーがしっかりセッティングしてあるフロントフォークキットについては、基本的にディーラーに組み付けを任せるのみ。あとは好みの長さを選んで……と、オーナー自身の好みを反映させる部分がないのかと言われれば、決してそんなことはない。

その方法のひとつが、フォークオイル選びだ。まずは最初のセッティングで乗り回してみて、「もうちょっと柔らかい方がいいな」など味付けを変えたくなってみたら、組み付けを頼んだディーラーに一度相談してみよう。選ぶオイルの粘度によってパフォーマンスが変わってくるので、自分好みの動きを探っていくのも面白い。

オイル選びで好みのセッティングを探ってみるのもひとつの方法だ。

■ リアサスペンション

この[プレミアムライドエマルジョンリアショック]、実は取り扱い説明書に「ライダーの体重に合わせた目盛設定表」が記載されてあり、例えば今回のテスターの体重78kgに照らし合わせると、サスペンションの中央に小さく並ぶ穴を目安に、「上から3つめの半分が隠れるところ」が最適なポジションとある。

とはいえ、実際に乗ってみたら「もう少し柔らかい方がいいな」、「ちょっと硬いぐらいが楽しい」と好みの差が出てくるもの。そんなときは備え付けの専用工具でセッティングを変えられるので、いろいろ試しながら自分のベストセッティングを探してみるのがいいだろう。

サスペンションの中央に小さな目盛が刻まれており、ここを目安にセッティングを調整する。専用工具があるので、自分の好みのポジションを探っていこう。

ディーラーが見るプレミアムサスペンションでの楽しみ方

改めてハーレーの遊び方を学べる
キッカケとなるパーツだと思います

ハーレーダビッドソン陸友 サービスマネージャー 芦田剛史氏

遊び方のバリエーションが豊富なところこそ、ハーレーに乗る醍醐味だと常々思っています。サスペンション選びもそのひとつで、とことんハイグレードな仕様を求めるのであれば別メーカーのバイクも選択肢に入ってくるかと思いますが、そんななかで“ハーレーに乗るうえでのサスペンション選び”というのがあるかなと思います。大事なのは「なぜハーレーを選んだのか、なぜハーレーに乗るのか」という自身の想いで、そのうえで、カスタムという選択肢のひとつでサスペンション選びをすれば、ハーレーに乗る楽しみはグッと広がると思います。

このプレミアムサスペンションは、「あと少し乗り心地が良くなってくれれば」というニーズに対してカンパニーが応えたもので、日本人の乗り方を意識した製品とも捉えられますよね。スポーツスターそのものの熟成度がアップされてきた分、走行性能の向上は必須だったのでしょう。

このサスペンションが備わったアイアンやフォーティーエイトの他にも、XL1200V セブンティーツ?やXL1200C カスタムといった個性的なモデルが他にも揃っています。「自分はこのモデルが好きだけど、もう少し乗り心地をよくしたい」という観点からサスペンション選びをするのも、ハーレーカスタムの醍醐味のひとつ。ハーレー、そしてカスタムの奥深さを知るキッカケになるといいですね。

「サスペンションの楽しみ方を探っていくのもカスタムのひとつだと思います。“自分のハーレーとどう付き合おうか”というところを見つめ直すキッカケになるでしょうね」と、ハーレーダビッドソン陸友のサービスマネージャー芦田剛史氏。
ハーレーダビッドソン陸友

住所/東京都大田区北千束2-2-2
電話/03-6426-8010
営業/10:00~19:00
定休/水曜、第三火曜
ウェブサイト >>

プレミアムサスペンション MOVIE

プレミアムサスペンション 製品情報

フロントフォークキット

フロントフォークキット
プレミアムライドシングルカートリッジフォークキット(スタンダード高)

製品番号:45400091
適合:2004~2015 XL883、XL883C、XL883R、XL1200R、XL1200V、2004~2010 XL1200C
メーカー希望小売価格(税込):70,000円

リアサスペンションキット

リアサスペンションキット
プレミアムライドエマルジョンリアショック(スタンダード高)

製品番号:54000076
アイエンド:約34cm
適合:2004~2015 各XLモデル
※XL883C、XL1200T、2011~2015 XL883L、2004~2011 XL1200C、2006~2007 XL1200Lは不可
メーカー希望小売価格(税込):120,000円

プレミアムライドシングルカートリッジフォークキット(ロープロファイル)

製品番号:45400090
適合:2011~2015 XL883L、XL1200C、XL1200T、2006~2011 XL1200L
メーカー希望小売価格(税込):61,700円

プレミアムライドエマルジョンリアショック(ロープロファイル)

製品番号:54000077
アイエンド:約30cm
適合:2004~2015 各XLモデル
※XL883、XL883R、XL1200R、XL1200Tは不可
メーカー希望小売価格(税込):106,000円

プレミアムライドサスペンション キャンペーン

キャンペーン

今ならサスペンション取付工賃が無料!

キャンペーン期間内に、ハーレーダビッドソン純正カスタムパーツ[プレミアムサスペンション](前後いずれかでも可)をご購入された方は、ハーレーダビッドソンジャパン正規販売網での取付工賃が無料になります!「自分のスポーツスターの乗り心地をもっと良くしたい。それも、なるべく低予算で」と考えているオーナーには願ってもいないチャンス!

期間:2015年10月14日(水)?2015年11月30日(月)
内容:期間中にスポーツスター用プレミアムライドサスペンションをご購入された方に、取付工賃を無料サポート
対象:スポーツスター2004?2015年モデル(パーツの適合については上記の商品情報を参照)

詳しくは最寄りのハーレーダビッドソンジャパン正規販売網まで