スポーツスターの人気は、やはりシンプルな構成ゆえのカスタムベースという意味合いが強い。近年はそのベースモデルも個性的なメーカーカスタムとも言うべき車種が多くラインナップされているが、カスタムベースと考えれば、最も安価な883Lを選ぶのも一つの方法である。
車体はごくシンプルな構成だが、従来のホイールサイズより少し小径でラジアルタイヤを履くという新時代のベーシックとさえ言えるスーパーロー。一国サイクル代表の梅島さんは、そんな個性を大切にしながら、都会的なライトチョッパーを制作した。
ガソリンタンクはノーマルでは大型の17リットル容量が標準装備だが、ここは最も従来のスポーツスターらしくということで、純正のピーナッツタンクを装着。これはフォーティーエイトやセブンティーツーに標準装備されているものと同一で、カラーリングはシェイキンスピードグラフィックスの清水氏が受け持っている。
エンジンのクロームを強調するために、他の外装パーツはブラックアウト。ホイールも塗装し、ハンドルバーもブラッククロームのカラーを選んでいる。塗装はアザーサイドですべて実施。ワイルドだが上品な仕上がりとなっている。
梅島さんが最も苦労した部分は、ガソリンタンクの交換で露出してしまう配線の加工処理。スッキリと仕上げるために、コイルの位置も移動して、美しいフィニッシュを実現した。
ラジアルタイヤの装着で極めて軽快なハンドリングは、現代のスポーツスターならではのもの。動きやすいライトチョッパーは、魅力的な1台である。