VIRGIN HARLEY | ハーレーWEB事情 芦田 剛史のUSAディーラー・トレーニングダイアリー

ハーレーWEB事情

  • 掲載日/2007年07月05日【芦田 剛史のUSAディーラー・トレーニングダイアリー】
  • 執筆/芦田 剛史
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本場ディーラーでハーレーを学ぶ USA Training Diarys 第15回

今の日本ほど高速ではない
アメリカのインターネット通信

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こんにちは、メカニック芦田です。
つい先日まで春だったのに、もう7月になってしまいました。暑いです、とにかく暑いの一言。ラスベガスは連日華氏110℃(摂氏だと約43℃)を越える日々でして、私の車(1987年製で走行20万km)はウォーターホースから水が噴出すトラブルに見舞われました。あわててホースクランプの位置を変え、ジップタイトで縛り上げて止めましたが、こんな故障で路上に立ち往生している車を毎日のように見かけます。古い車両を日常的に使用するに、それなりの覚悟と愛情が必要なのは車もハーレーも変わりはないですね。最近、最新式の車を羨ましそうに(恨めしそうに?)眺める自分に気付き、「ちょっと整備疲れしてるのかな?」と思った芦田です。今月もディープな私のコラムに目を通して頂けるようでしたらお付き合い願います。

先月に引き続き、前振りと関係ないお話です。今回は「アメリカのインターネット事情」について書いてみたいと思います。ハーレーのウェブサイトはもちろん、ハーレーと関係のない話もご紹介します。実は私自身、インターネットについてはそれ程(全く?)詳しくないのですが…。VH編集部のある方の熱望(押しが強いんです…)があったのと「徹底的にアメリカのハーレー事情を解明する」というのが私のコラムの使命。今回も何とか使命を全うしたいと思います。それではいってみましょう!

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私が初めてアリゾナのアパートに入った当時、ダイアルアップ方式(通常の電話回線を使用したアナログ回線。56kbpsと遅い!)を使用していました。インターネット黎明期の通信回線ですね(笑)。余計な手続きをしたくなかったことや毎月の支払いをケチりたかったことなど、いろいろな事情でダイヤルアップ方式でインターネットを利用していました。データの送受信にはかなり時間を要しましたが、私がインターネットを使うのはせいぜいメールの送受信くらいでしたから、特に不自由は感じなかったのです。ここまでの文章を読むと「アメリカの通信事情は酷いのか?」と思うかもしれませんが、もっと速い回線も当然あります。アメリカでの通信方式はケーブル回線を利用した通信(日本でもCATVのネット環境はありますね)が一般的で、私の住んでいる地域では主にCOX、QWESTといった会社が有名です。最近ではDSL(通常の電話回線をそのまま使用して高速通信を可能とする回線。ADSLもこの一種です)も普及しつつありますが、私が現在利用しているCOXだとケーブル回線のインターネット契約(1.5Mbps/384Kbps)で毎月30ドル。これまでダイアルアップを使用していた私にとってはは最高の通信速度に感じたのはいうまでもありません。他には毎月42ドルで6Mbps/512Kbps、55ドルで10Mbps/1Mbpsのプランもありますが、私にはとても使いきれない速度ですね。家に居るときくらい急ぎたくありませんから(笑)。因みに通信速度が2つ書いてあるのはいわゆる「上り」と「下り」です。

しかし、日本では更に早い通信速度を持つFTTH(光ファイバー)通信なる物があるようですね…。ちょっと見てみましたが、接続環境に左右されつつもダウンロード20Mbpsを越えていますね…。こっちの通信回線でも充分に速いと思う私ですが、私の今の通信環境は数年前の日本と同じくらいみたいです。広い国土のアメリカで、高速回線を普及させるのは日本以上に困難なことなのでしょう。しかし!(この辺りで芦田節を…)そんなに急いで何処へ行こうと言うのですか。ダイアルアップで重いファイルをダウンロードしても、お風呂に入って上がってくれば完了しています。仕事で高速な通信環境を求められるならよく分りますが、家に居る時くらいは早く早く!という生活はちょっとなぁ…と思う私です。そんなに急ぐと、地球が小さく感じたり、人生を生き急いでいるように感じる私はもうIT時代に着いて行けなくなってきたおじいちゃんのよう。日本に帰ったら携帯無し生活を慣行したいと思う私です。無理でしょうか(笑)?

星の数ほどあるハーレーサイト
中でも有名ドコロを紹介します

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これを書く前に断っておきたいのですが、私は本当にアメリカのWebサイトには詳しくありません! やや英語恐怖症の私が仕事以外で英語に触れることは、深爪を毎日味わう(痛った~)のと変わりなく辛いのです。ですが、今回のコラムを書くためにいろいろと調査をしてみました。それではその(大したことの無い)調査結果を書いてみましょう。

まず、私がコラムを書かいている「Virgin-Harley」のような総合サイトがアメリカにもあるのかどうか? というトコロですが、答えるのは非常に難しいです。あるのか、ないのかと問われれば、どこかに在るのかもしれません。けれど全米におけるハーレーサイトの数は星の数ほどあり、その数は日本の比ではありません。これを踏まえて短期的な調査で有無を断定できませんでした。「これは総合的なのか?」と判断が難しいサイトは見つけましたのでご紹介しましょう。私なりにアメリカでネット徘徊をしてみた限りでは、この2つのサイトがハーレーに関して総合的なのではと感じました。「 Harley-Davidson Forum.com 」と「 WEST COAST BIKERS」です。どちらもユーザーが主体となってサイトのトピックを盛り上げています。WEST COAST BIKERSの方はその名の通り西海岸限定?のような印象を受けます。そのサイトには「V-TWINカレンダー」なるトピックがあり、西海岸付近で行われているハーレーのイベントが紹介されています。また、アメリカでオートバイ全般の最新情報をいち早く調べるなら、上記サイトより「 MOTORCYCLE.COM 」 がオススメです。 頻繁に最新型の試乗インプレッションなどが行われています。しかしながら「Virgin-Harley」のように、ごく普通のハーレーユーザーの方々(とっても皆さん輝いていらっしゃいます。素敵ですね)にツーリングのレポートを書いてもらう…などの読者を巻き込んだサイトは見つけられませんでした。私が思うに、Virgin-Harleyはアメリカから見ても非常に希有な企画だと思います。これ以上にハーレーを通じた“生の声”を届けられる企画はないんじゃないでしょうか。

アメリカのハーレー関連サイトとしては、各ショップのサイトが圧倒的な数を誇り、過半数を占めています。どれも非常に手の込んだページになっていますので、全部見ようとすると一生かかりそう(笑)。他のサイトだと、有名どころで日本のヤフーのような「 e-Bay 」などのオークションサイトもユーザーに人気です。やったことが無いので分かりませんが、特にハーレー専門サイトではなく、車でも家電でも何でも出品されているのです。相当レアな旧車ハーレーのパーツも出回っており、日本人の方も結構利用されているようですね。そのため、日本人の旧車好きはアメリカでも結構有名になっていますよ。

そして、唯一私が個人的に利用しているサイトがこちら。「 BikeBandit.com 」と「 SeegerCycle.com 」、Bike Bandid.comはハーレー専門ではありませんが、ハーレーの純正パーツが電子カタログを見ながらネットで購入できるのでちょくちょく利用しています。結構安いんですよ。「アンタは『Las Vegas H-D』で、買えばいいじゃない!」と突っ込まれそうですが、実はパーツ販売のおばちゃんが大嫌いでして、私はやる気の感じない人とは一切ビジネスしないというシビアな面も一応ですが、持っています。やる気の無い人と、勘違いしている人には例え安くてもビタ一文払いたくないのです(笑)。

超マニアックな質疑が飛び交う
Harley Tech Talk

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前回ご紹介しました私の“偉大なる兄貴”小磯氏からの情報だと、「 MSN Harley Tech Talk 」というサイトも人気のようです。私もチラリと覗いてみましたが、相当熱くマニアックな情報交換が日々行われています。エンジンタイプや車種に分けて項目が分けてあり、そのジャンルの中でさまざまな会話が行われています。ただ、このサイト以前見たことのあるような記憶がありました。恐らく見た瞬間「うわっ、英語ばっかりやん!」と思って出て行ってしまったのでしょう…はは…。けれど、今回見た限りだと、以前よりは英語が読めるようになっていました(笑)。サイトの中には「88Bエンジンのフライホイールのバランス取りをして、クランクピンのベアリングをティムケンベアリングに換装するつもりなんだけど、そのついでにバランサーを外してもいいかな?」という質問が。素人の方だと思いますが、相当マニアックな質疑応答ですね。もちろん、内容から言って個人でやれる範囲ではないので、外注するつもりだとは思いますが…。それに向けて周りに助言を求めているようでした。バランサーを外してもモーター本体が壊れることはないでしょう。しかし、元来フライホイールのTDCとBDC辺りの慣性運動で発生する振動を打ち消している物ですから、無くなれば当然ピストンスピードが上昇して慣性力が増すにつれて、特に高回転域で微振動が増えるかなと思います(これは単なる推測です、試してどんな影響が他に出るかは何の保証も出来ませんが)。ただ、バランスタイミングのシフトしたバランサーよりはよっぽどマシかなとは思います。これはとても乗れた物ではありません。…おっとつい小難しい話になってしまいましたね…。メカニズムコラムではないので難しい話はこの辺で(笑)。他には最近は日本でも話題のEFIチューンに関したさまざまな経験談や相談、更に旧車についての話題も豊富です。全米からハーレー大好きネットサーファーが集まる、と考えればこのサイトは相当な規模の物だと思われます。

これらと類似のサイトは日本にもありますね。皆様ご存知の『HDN』が、まさにこれにあたるのではないでしょうか。私も以前はしょっちゅう覗かせていただいていました。非常に勉強になる部分があり「マニアックな方が沢山いるんだなぁ」と驚いたことも多々あります。ただこれはVirgin Harleyを含め、あらゆるジャンルの大型サイトにも共通するのですが、ネット上の書き込みではモラル規制ができず無法地帯な部分がある、と残念に感じたこともありました。真摯にお話できる方が沢山いらっしゃる中で、心無い方もたくさんいることも事実です。私も何度かサイト上で失礼なことを言われました。私に非が全く無いわけでもないでしょうから、仕方ないのかもしれません。その他のいろんな発言を見ていると「友人ならまだしも、会ったことがない人に皆さん本当に強気で発言するんだなぁ」と萎縮したことがありました。

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これらのサイトで情報収集することは非常に手短で時間短縮にもなりますが、問題は情報を与えてくれる方の情報がどの程度の信頼性があるのか、というところではないでしょうか? 肝要なことは「情報収集が最短でも、問題解決に向かっての最短距離ではないことがありえる」ということを頭に置いておいた方が良いのかも知れません。「じゃあ何が一体本当で、それをどう見極めるのよ?」という問題が出てきますが、これはやはり信頼できる本職の方と実際に面と向かっての対話に対話を重ねてゆくことが最終的には必要になってくるのでしょう。お店が、特にメカニックが画面上で、しかも言葉や広告で伝えれることは本当に僅かなことでしかないでしょうから。昔、インターネットが普及し始めた頃、ニュースや新聞では「人間疎外の始まりだ」、「現実世界のコミュニケーションが激減する!」というような話をよく聞きました。そうですね、現実世界のコミュニケーションは大切です。これは私自身も、肝に銘じなければいけないことと改めて思います。こんなことを書いてると、とある女性の方が仰った非常に印象的な言葉を思い出しました。

時代という物は、新しい物が生まれる事によって、必ず古い物が淘汰されていってしまう。
平凡で小さな私の生活もその対象外ではない。
便利で不自由ない私の生活は、
私が気付かない内に数え切れない程の大切な物を捨てている毎日なのだろう。
そして私はそれに毎日気付かないでいる

アメリカに来て、知人や家族から大切な大切な手紙を何通か頂きました。日々の気持ちや、今の気持ちを伝えようとするにはとても少ない情報量ではあります。しかし、手紙というシンプルな情報媒体には、感情というインターネットでは送りきれない膨大な気持ちが込められていました。手紙をくださった方には、この場を借りて「ありがとう」と伝えたいほど貴重な手紙でした。たとえ世の中がどれほど便利になっても、いつまでも気持ちの交差はアナログでありたいと思う私です。これはハーレーも同じく、ネットであれこれと語ることも大事ですが、見て触って五感と心で感じることがいつまでも主体であって欲しいと思います。それでは次回もお楽しみに!

プロフィール
芦田 剛史

26歳。幼少からバイクと車に興味を持ち、メカニックになることを誓う。高校中退後、四輪メカニックとして4年の経験を積み、ハーレー界に飛び込む。「HD姫路」に6年間勤務、経験と技術を積み重ねたのち「思うところがあり」渡米を決意。現在はラスベガスHDに勤務。(※プロフィールは記事掲載時点の内容です)

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