VIRGIN HARLEY |  第18回 アレコレといっぺんに部品を落としたツーリング・ゼミナール 青木 タカオ

第18回 アレコレといっぺんに部品を落とした

  • 掲載日/ 2012年05月08日【ツーリング・ゼミナール 青木 タカオ】
  • 執筆/フリーライター 青木 タカオ

先日、イベント取材に向かっている途中でのこと。自分のエレクトラグライド(1988年式FLHTC/1340cc エボリューション5速)で気持ち良く高速道路を走っていると、カッチャン・カランコロンと何らかの部品が外れた音。以前、首都高を走行中にエキパイのヒートガードを落としたことがあったので「また何か脱落したな」と覚悟しつつ、最寄りのパーキングエリアへイン。すぐさま車体のアチコチを見渡してみると、左側のサイレンサーを止めているボルトがマフラーブラケットごとないことに気がつく。

青木タカオさんの写真

走行中、何か部品が落ちた音がしたので、停車して確かめてみると、サイレンサーがブランブランの宙づり状態に。本来、板状のマフラーブラケットがラバーの間にさし込まれ、サイレンサーを2本のボルトで固定してなければならない。

マフラーを固定している部分はここだけなので、サイレンサーはエキパイにただ単にささっているだけの状態に。このまま走り続ければサイレンサーを落としかねないから、とりあえず持っていた針金でグルグル巻きにして固定。しばらく走ってから針金の状態を確認してみると、すべてプッツリ切れていて意味なし。エンジンをかけて見ると、サイレンサーは大きく左右上下に動き、エンジンの振動で激しく動いていることがわかった。これほど動いているのだから針金はきつくしめるのではなく、ゆったりと遊びを持たせておかないとダメってこと。役に立っているのかどうか分からないが、一応また針金をグルグル巻きにして走ることにした。

青木タカオさんの写真

さらに車体各部を確認してみると、ハードサドルバッグのフタを留めているサドルバッグラッチもなくなっていた。年式は定かではないが、FLT エボ前期に採用される旧タイプの場合、キーロックをしておかないと上蓋を落とすこともあるという。

さらに、ハードサドルバッグのフタを留めるサドルバッグラッチも外れてなくなっていることに気がつく。エボリューション後期以降のものは脱落することはほとんどないが、エボ初期以前の旧タイプはちょくちょく外れ落ちることがあると聞いたことがあり、走行時はキーでロックするようにと言われたことが以前あった。ボクはそれを守らず、ロックしないで走っていたので自業自得といったところか。サドルバッグの上蓋を落とさずに済んで、よかったと思うしかない。ラッチはないもののキーロックが効いたので、そこからは鍵でしっかりロックして走ることにした。

青木タカオさんの写真

トップケースに装着されるパッセンジャー用のバックレストもゴッソリ外れてしまった。3ヶ所でラバーマウントされているのだが、ゴム部品が劣化し折れてしまった様子。外れた瞬間に背中にのしかかり、落下せずに済んだ。

そして、もう少しで取材先に到着するというところで、今度は背中に何かがのしかかってきた。リアシートに幽霊でも乗っかってきたかと思うほどビックリし、路肩にバイクを停めてみると、今度はトップケースについているパッセンジャー用の背もたれがゴッソリ外れていた。背もたれを取り付けているボルトは3本ほどあり、それぞれがラバーを介しているのだが、すべてのゴムパーツが劣化してポッキリ折れている。

バカでかい背もたれは運良くトップケースにピッタリ収まり、取材後はエレクトラグライドを診てもらっている主治医のもとへ。その道のりは 100km ほどあり、いつマフラーが落ちてしまうかヒヤヒヤしつつも走り続けた。間もなく行きつけのショップに到着ということころで、またしても「ガッチャン・カランコロン」。今度はけっこうデカイものが落ちた音がしたので、おそるおそるエンジンを覗いてみると、今度は車体右側、リアシリンダーのマフラーヒートガードがなくなっている。ヒートガードを止めているバンドは残っているから、ネジが緩んで外れたのではなく、溶接がゴッソリ外れてしまったようだ。

青木タカオさんの写真

さらにリアシリンダーから伸びるエキパイを保護するマフラーガードも脱落。エキパイには固定するためのバンドが残っており、バンドとガードを繋ぐ溶接が外れてしまったことがわかる。エキパイはバックギアを避けるために潰されている。

1日にアレコレとよくもまぁ、部品が外れまくったボクのエレクトラグライド。これまで、こんなことはなかっただけにビックリ。後続車がおらず、部品が当たるなどなかったことが不幸中の幸いだった。エキパイのヒートガードを落とすのは今回で2回めだし、ついにマフラーブラケットも脱落した。5~6年前にはエキパイの溶接部分にヒビが入ってしまったこともあるし、マフラーまわりはトラブル多発地帯。今後も増す締めなどを怠らないようにし、注意しようと思う。

プロフィール
フリーライター
青木 タカオ

バイク雑誌各誌で執筆活動を続けるフリーランス。車両インプレッションはもちろん、社会ネタ、ユーザー取材、旅モノ、用品……と、幅広いジャンルの記事を手がける。モトクロスレースに現役で参戦し続けるハードな一面を持ちつつも、40年前のOHV ツインや超ド級ビッグクルーザー、さらにはイタリアンスクーターも所有する。

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