VIRGIN HARLEY |  第3回 タンクカスタム編スポーツスター研究室

第3回 タンクカスタム編

  • 掲載日/ 2008年04月29日【スポーツスター研究室】
  • 構成・文/VIRGIN HARLEY.com 編集部 ターミー
スポーツスターカスタムの画像

スタイル変化の肝となる
ガソリンタンクカスタム

今回のテーマはガソリンタンク(以下、タンク)。他のどんなパーツより、スポーツスターの雰囲気を変えてくれるアイテムだ。タンクのカスタムには、タンク自体を別のモノに交換してしまう方法と、カスタムペイントやエンブレム交換で雰囲気を変える方法がある。作業としてはどちらも難しいものではないが、それなりにコストはかかってしまう。下調べをして、イメージを固めからカスタムに取り掛からないと完成後に後悔することになりかねないので、車両とのバランスを考え、悩み抜いてからタンクのカスタムに着手して欲しい。

純正タンクの変遷

大まかに3種類ある
エボ以降の純正タンク

カスタムタンクを紹介する前に、まずは純正タンクの変遷から見てみよう。エボリューション以降のスポーツスターに採用されたタンクは大雑把に3種類に分けることができる。

・90年代半ばまで採用されていた容量8L強のスモールタンク
・90年代後半から1200シリーズに採用されはじめた12Lタンク
・2004年以降から採用されはじめた17Lタンク

の3種類だ。スポーツスターというとスモールタンクをイメージしがちだがエボリューション以前のスポーツスターを遡ってみると、初代モデルはスモールタンクではなく、その後も大柄なタンクの採用が続いてきた。スモールタンクだけがスポーツスターではないことは知っておいた方がいいだろう。大型のタンクをどう活かすか、そこにこだわってみるのも手だ。

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1996年式XLH883(8.5Lタンク)

純正採用が終了してから10年以上経つが、未だに人気が高い2.25ガロン(約8.5L)タンク。現行タンクに比べれば航続距離は限られるが、小振りでシンプルなスタイルは旧車のようなテイストを持っている。なお、95年までのスモールタンクはコックが右に、96年以降のタンクはコックが左にあるので中古タンクを手に入れる際は注意。

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2001年式XLH883(12.5Lタンク)

1996年式から採用されはじめた3.3ガロンタンク。2003年式までと2004年式以降のモデルは互換性がない。また、2007年式以降のインジェクション採用モデルはインジェクションシステムのスペースを確保するためタンク容量が0.5L減っている。スポーツスター用の社外シートは、このタンクに合わせて製作されていることが多い。

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2008年式XL1200R(17Lタンク)

2004年式モデルから採用されはじめた大柄のタンク。2006年式までは17.4L、2007年式以降は同形状で17Lの容量だ。スポーツスターモデルで唯一、自然にニーグリップできるタンク形状のため、他メーカーからの乗り換えの場合も違和感なく乗りこなせるだろう。一回の給油で300km以上走ることができるのも嬉しい。

タンクカスタムの際は社外タンクを使うことが多いと思うが、純正タンクのクオリティの良さも捨てがたい。社外タンクでありがちなのは、タンク左右の形状が微妙に合っていないことや、微小な穴からのガソリン漏れ、フレームにマウントするステー強度不足など。タンク内部の防錆コーティングも純正はさすがにしっかりとしている。最近は数が少なくなっているものの、2003年式以降のモデルでは中古の純正タンクを探すのも手だろう(ただし、左右のコックの位置に注意)。2004年式以降のオーナーの場合は純正スモールタンクはタンクの底板を加工しなければ取り付けできない。また、キャブレターモデルとインジェクションモデルではタンク形状が少し違うのも知っておいた方がいい。

代表的なカスタムタンク

ボルトオンで装着できる
代表的な社外タンク

次に、社外のスポーツスタータンクについて紹介しよう。2004年式以降用と、2003年式以前用の2種類があり、双方の互換性はない。また、2007年式以降のモデルはインジェクションシステムの収納スペースが必要なため、2004~2006年用のタンクはそのままでは取り付けられないことを知っておいて欲しい。こう書くと選択肢が少ないように思えるかもしれないが、ここで紹介するのはあくまで代表的なタンクだ。少しの加工で取り付けられる他車種用のタンクもあれば、鉄板やアルミでイチからオリジナルタンクを製作することだってできる。アタマにイメージさえ思い描けば、形にならないタンクなどはないのだ。

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    XL用スモールタンク

    メーカー名/大木産業
    ?容量/約8.5L
    ?適合/04年~06式、07年式~
    ?価格/40,000円、55,000円

    04年式以降用の2.25ガロンスモールタンク。07年式以降のインジェクションモデル用もラインナップアリ。

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    ミディアムスポーツタンク

    メーカー名/イーストアーバン
    ?容量/約9.6L
    ?適合/86~03、04~06年式
    ?価格/84,000円、89,250円

    スモールタンクと純正の中間容量を持つFRP製タンク。86~03年式までと04~06年式用の2種類がある。

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    KRレプリカタンク

    メーカー名/イーストアーバン
    ?容量/約7L
    ?適合/86年~03、04~06年式
    ?価格/84,000円、89,250円

    50年代に活躍したスポーツスターのご先祖「KR」をモチーフにしたヴィンテージレーサー風のタンク。

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    2.25ガロンタンク

    メーカー名/各種ショップにて
    ?容量/約8.5L
    ?適合/86~03年式
    ?価格/10,000~30,000円前後

    純正2.25ガロンタンクのレプリカタンク。右コックと左コックモデルがあるのでオーダーの際は年式に注意。

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    ボルトオンFXEタンク

    メーカー名/ホワイトハウス
    ?容量/11L
    ?適合/95年~03、04~06年式
    ?価格/81,900円

    ショベルFXEモデルのレプリカタンク。高さが低く幅広で、現行17Lタンクとも違う雰囲気を演出できる。

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    ナローマスタングタンク

    メーカー名/NEO FACTORY
    ?容量/約8.8L
    ?適合/加工して取付
    ?価格/15,800円

    ステー等を加工し、車両に合わせる汎用タンク。チョッパースタイルなどのカスタムには最適。

タンクカスタム例

車両の印象は
デザインで変わる

どのタンクを取り付けるのか、それが決まってもタンクカスタムにはまだ大いに悩むべき難関がある。タンクカラーやデザイン、エンブレムだ。カラー1つをとっても、選ぶカラーリングによって見た目の印象は大きく変わる。クラシックテイストを出したいのなら、キャンディーなどラメの入ったカラーリングはNGだ。ヴィンテージハーレーをモチーフにする人は多いと思うが、塗料の種類が少なかった時代はシンプルな色の塗料が使われていることが多い。クラシックなカスタム車両に凝ったカスタムペイントを施す場合は、完成した姿をよくイメージしておかないと後々後悔するかもしれない。

さて、ここで2008年3月に行われた「関東スポーツスターミーティング」で撮影した、さまざまなスポーツスターのカスタムタンクをご紹介しよう。デザインやカラーリングなどの参考にして欲しい。ここで注意したいのはエンブレムやロゴの位置。同じエンブレムでも取り付ける高さによって受ける印象が違うのだ。タンクカスタムをする前に全国で開催されているスポーツスターミーティングなどを訪れ、各車両をじっくり観察してみるのもいいだろう。

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