VIRGIN HARLEY | 新型ソフテイル FXBRブレイクアウトの秘められた実力とは!? 試乗インプレ

2018年式 FXBR/S ブレイクアウトの画像
HARLEY-DAVIDSON FXBR/S BREAKOUT(2018)

新型ソフテイル FXBRブレイクアウトの秘められた実力とは!?

ロー&ストレッチなドラッグレーサーイメージの車体に
最新の「ミルウォーキーエイト107/114」を搭載

2013年モデルのCVOとしてデビューした「FXSBSE ブレイクアウト」は、13年4月にソフテイルファミリーに属するスタンダード版「FXSBブレイクアウト」も登場。ロー&ストレッチなドラッグレーサーイメージの車体に、フロント21、リア18インチの足まわりをセットし、240mmという超ワイドなリアタイヤを履く唯一無二のスタイルは瞬く間に人気となった。

ツインカム96BだったFXSBブレイクアウトの空冷Vツインは、16年モデルでツインカム103Bへと進化したが、ついに2018年モデルでその役目を終え、最新のVツインユニット「ミルウォーキーエイト107/114」へと心臓部を変更している。

FXBR/S ブレイクアウトの画像

FXBR/S ブレイクアウトの特徴

フューエルタンクを小振りなものとし
メーターはハンドルクランプに埋め込まれた

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ロー&ロングのスタイルはそのままに、LEDヘッドライトを専用のオーバル型とし、燃料タンクも容量13.2リットルの小振りなものにチェンジ。デジタルスピードメーターがハンドルクランプに埋め込まれ、フロントまわりはスッキリとしたものに。

フェンダーは前後とも短くチョップされ、テールエンドは240mm幅のワイドタイヤとワイドフェンダーが存在感を強調。テールライトがターンシグナルに内蔵され、その迫力ある姿を邪魔しないようにしている。

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完全新設計のソフテイルフレームを骨格とし、シート下にモノサスペンションを備えた。オイルタンクのあった位置にはプリロードアジャスターが配備され、手動ダイヤルで5段階にスプリングに対する初期荷重を調整可能とした。

エンジンはフレームにリジッドマウントされ、緩衝材となるラバー(アイソレーター)を介さず搭載されている。クランクシャフトの前後にカウンターバランサーがデュアル装備され、一次振動を50%低減。ラバーマウント方式のツーリングファミリーではクランク軸前側にのみバランサーを備え一次振動を75%低減していたが、リジッドマウント方式のソフテイルでは振動対策をより強化しているのだ。

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FXBR/S ブレイクアウトの試乗インプレッション

刷新された前後サスペンションにより
エンジン性能を活かした旋回性がアップ

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試乗コースは米国カリフォルニアのワインディング。ステップ裏のバンクセンサーを路面に擦りつつ、60mphのハイスピードで駆け抜けるダイナミックな高速コーナーもあるが、新型ブレイクアウトはそれをまるで苦にしない。従来モデルならお手上げだったかもしれない、コーナーの連続する山岳路を2日間300マイル(約480km)、ずっと走りっぱなしなのに終始楽しいのだ!

レイク角34度と深く寝かせたフロントフォークに、大径21インチをセットするブレイクアウトのハンドリングは、もともと手強いものだったが、130mmのストローク量を持つインナーチューブ径49mmのSHOWA製デュアルベンディングバルブフォークと、動きの良いモノサスペンションを備えることで、車体は寝かしやすくなった。

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もちろん相変わらずのアンダーステアで、コーナーでは乗り手が「よし曲がるぞ」と身体をイン側へ大胆に入れるなどのキッカケが必要だが、旋回中に想定外の衝撃を受けても前後サスが外乱をしっかり収め、落ち着いたハンドリングを守ってくれる。

巡航速度を高めたエンジンの性能を活かすべく旋回性が高まり、安心してハイスピードのまま高速コーナーに突っ込んでいけるようになった。

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FXBR/S ブレイクアウトの詳細写真

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ソフテイルファミリー全機種でLED化されたヘッドライト。ブレイクアウトでは四角い光源を3つ縦列配置した小判型としている。電動バイク「LIVE WIRE」で見た近未来的なフロントマスクだ。
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LEDヘッドライトはロービーム時、中央の3つの発光体だけが光るが、ハイビーム時は9つある光源がすべて点灯。圧倒的な光量で、被視認性に優れるのは言うまでもない。
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フロント21インチのキャストホイール仕様は先代から受け継いだが、スポークにカッティング加工が施されたカスタムホイールにグレードアップ。タイヤ幅は10mm広がり、前輪サイズを130/60B21としている。ブレーキはシングルディスク仕様だ。
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フロントブレーキは大径300mmディスクと、32mmと34mmのピストンで構成される4ピストンキャリパーの組み合わせ。制動力、タッチに不満はない。
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ハンドルクランプに埋め込まれた小型デジタルメーターでは、スピードをメインにバーグラフ式の燃料計、ギア段数を表示。速度の下にはハンドル左のスイッチにて切り換えて、オド、トリップA/B、エンジン回転数、時計、航続可能距離のいずれかを表示することができる。
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フレームネック左側にはUSB端子が備わり、ハンドルマウントするスマートフォンなどの充電を可能としている。端子はカバーされ、雨水の浸入を防いでいる。
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前後サスペンションを一新したソフテイルファミリー。フロントはインナーチューブ径49mmのSHOWA製デュアルベンディングバルブフォーク。130mmのストローク量を持つ。
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モノショック化されたリアサスペンションはプリロードアジャスターが備わり、車種によって調整方法が異なる。ブレイクアウト、ファットボブ、ファットボーイは手動ダイヤル式、デラックスとヘリテイジクラシックはソケッレンチ、ソフテイルスリムとストリートボブ、ローライダーはフックレンチを用いる。
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ブレイクアウトでは、従来オイルタンクのあった位置に配備されたダイヤル式アジャスターでプリロードを5段階調整可能。スプリングの初期荷重を、工具不要で容易に変更できる。
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リジッドマウントされるミルウォーキーエイトエンジンはFXBRの排気量1,745ccの107ciをスタンダードに、ボア×ストロークを100×111.1mm→102×114.3mmとしたFXBRSの1,846cc=114ciも選べる。
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セパレート型のシートはダブルテクスチャーとし、高いホールド感と快適な座り心地を実現。HARLEY-DAVIDSONのプレートも備わり、高級感漂うものとしている。
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マフラーはサイレンサーカバーのみをブラックとし、クロームとの美しいコントラストを見せる。ライセンスプレートは試乗した北米仕様ではサイドマウント(車体左側)だが、日本導入モデルではフェンダーエンドにマウントされる。

こんな方にオススメ

ブレイクアウトは相変わらず直線番長
アクセルワイドオープンで加速を楽しもう!

旋回性を高めたといえども、ブレイクアウトが直線番長であることは変わっていない。長い車体と太いタイヤの組み合わせは直進安定性に長け、ストレートでスロットルをワイドオープンするのが面白い。

リジッドマウントされるミルウォーキーエイトは、鼓動感がライダーにダイレクトに伝わり心地良い。全速度域で低回転化が図られ、余裕を持ってクルージングが楽しめるのはツーリングファミリーでも感じたが、ソフテイルではVツインならではのドコドコ感がよりはっきりしている。ラバーマウント方式のツーリングファミリーとリジッドマウントのソフテイルで、ミルウォーキーエイトのエンジンフィールが微妙に異なっていて、それぞれのキャラクターを明確にしているのは感心するところだ。

そのエンジンだが、FXBRの排気量107キュービックインチ=1,745ccをスタンダードに、ブレイクアウトでは114キュービックインチ=1,868cc仕様のFXBRSも選べる。ロングストローク設計を守るために、ボアだけでなくストロークも同時に延ばしている114仕様は、ハーレーのビッグツインならではの大らかなパワーフィールはそのままに、よりトルクフルで加速も鋭い。“フルガス”でダッシュを楽しむブレイクアウトなら、114仕様がベストマッチのような気がする。

試乗ライダー プロフィール
青木 タカオ
雑誌 Virgin Harley 編集長を務める傍ら、多くのバイク専門誌、一般誌、WEBメディアに寄稿するモーターサイクルジャーナリスト。10代の頃からモトクロスレースでライディングの基礎を学び、現在では競技用オフロードモデルから、サーキットでのロードスポーツモデルの試乗インプレッションまで手広く担当する。また、バイクの仕組みを解説する著書もある。

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