VIRGIN HARLEY | 玉田 善則(モトブルーズ) インタビュー

玉田 善則(モトブルーズ)

  • 掲載日/2004年11月05日【インタビュー】

ハーレーインタビューの画像

乗るだけがオートバイなのか
「装い」にも心を持ちたい

兵庫県神戸市に「MOTO BLUEZ(モトブルーズ)」というカスタムショップがある。実は、私がかつて「バルカン800」に乗っていた頃にお世話になってショップで、大学生の頃は用も無いのに、週に何度も遊びに行っていた。今回ご紹介する「モトブルーズ」のオーナーである玉田さんは、日本での『ハーレー純正ウェア』の誕生に大きく関わっている。ディーラーなどでハーレー純正ウェアが買えることに一役買ったのが、玉田さんだったりするのだ。今回は彼のバイカーズライフスタイルにかける想いを堪能して欲しい。

Interview

神戸エレガント系
レディス中心のアパレルメーカー社員として

ー玉田さんは、もともとアパレルメーカーに勤めていらっしゃったんですよね。どういった経緯でハーレー業界に?

玉田●アパレルメーカーに勤めていたときに、「新ブランドを立ち上げるなら、どんなブランドを作りたい?」という研修があってね。僕は何度も「男性は男臭く、女性はセクシーな、バイカーズファッションブランドを!」と提案してたんだけど、神戸のエレガントな女性ブランドが中心のメーカーだったので毎回却下されて(笑)。そんなときにハーレーが純正ウェアの新会社「HDC」(現在はハーレージャパンに吸収)を立ち上げると聞いて、その発表会に遊びに行ったんだよ。

当時そのHDCは、ハーレーブランドのスーツなどを作って、デパートで販売しようとしていたんだ。「バイカーズファッションをデパートで販売するのは、ちょっと違うんじゃないの?」と思って、販売員の人に「このままじゃ、多分失敗しますよ」と話をして帰ったら、次の日に「HDC」の方から電話がかかってきてね。いろいろと自分の考えを話しているうちに、結局「HDC」に転職することになったの。それが、ハーレー業界に関わるきっかけかな。

ー「HDC」に入社する前からハーレーには乗っていらっしゃったのですか?

玉田●モトクロスでアマチュアレースに参加はしていて、バイクは大好きだったよ。でも、ハーレーに乗りたいとは思ってなかった。昔はバイクを性能で見てしまっていたから、ハーレーに目が向かなかったんだよ。でも「ミスターバイク」という雑誌でアメリカの「スタージス」での写真を確かパンヘッドのFLだったかな、を見て「ハーレーっていいかも」と思いはじめていたのね。そんな時に「HDC」に入社することになったから、前の会社の退職金で91年式のFXDB 「Daytona Dyna Glide」を買ったんだよ。それが僕とハーレーとの馴れ初めだね。

ーどんなお仕事をされていたんですか?

玉田●デパートでのアパレル販売に僕は反対だったので、バイカーズウェアを扱うショップやジーンズショップに純正ウェアを販売する営業チームを作ってもらって、僕はその営業をやっていたんだよ。最初はバイカーズウェアを取り扱うショップは少なかったんだ。でも、がんばって営業しているうちに、少しずつバイカーズウェアを取り扱ってくれるお店が増えてきてね。まぁその頃は、今みたいにどこでもバイカーズウェアが買えるような状況になるなんて想像もできなかったけどね。だから今はうれしいよ。「自分がやってきたことは間違っていなかったな」ってね。

ー正規ディーラーで純正ウェアを販売することにも、玉田さんも関わっていらっしゃったのですよね。

玉田●1993年にハーレー90周年のイベントでアメリカに行く機会があって、その際にアメリカのディーラーを何店か見学したんだ。敷地が広いこともあったけど、「整備工場」、「車両展示スペース」、「アパレルの売り場」にそれぞれ広いスペースが充てられて、綺麗に整備されていてね。スーツ姿の会社員の人や、お洒落なカッコをした女性が普通に店内にいたんだよ。

当時の日本のバイク屋さんは、あそこまで綺麗ではなかったし、お客さんもバイクマニアの人が多かったから、アメリカのディーラーはカルチャーショックだった。「明るくて綺麗な店内」であることと「バイクを所有してなくても楽しめる用品の充実」…それが大事なんだな、と実感した。日本に戻ってきてから、すぐに正規ディーラーやカスタムショップにお邪魔して店内にアパレルを置くことで、「お客さんが何度もお店に遊びに来てくれるようになりますよ」、「ハーレーに乗っていない人もお店に来ますよ」と提案に回ったよ。

ー正規ディーラーの反応はどうでした?

玉田●昔から、正規ディーラーさんもお客さんからの注文があれば革ジャンやブーツの取り寄せはやっていたんだけど「商品を先に仕入れて、ディスプレイをする」ということが初めてだったから、もう大変だったよ。お店のスタッフはアパレルの販売をしたことがない人ばかりだったから、ディスプレーの仕方や「このジャケットはこのシャツに合いますよ」というところまで提案できる人がいなかった。だから、そういう提案を少しずつ形にして、正規ディーラーでもアパレルスペースが広く取られるようになってきたわけ。

ウェスタンウェアやバイカーズウエアを並べたら
もっと面白いお店ができるんじゃないかって思ってね

ーうまくいっていたわけですよね。それなのに、なぜ「HDC」を辞められてお店をやろうを思ったのですか?

玉田●純正ウェアの営業を3年間やってきて「ハーレー純正ではないウェアやグッズも販売したらいいのに」と思うことがあったんだけど、さすがに立場上それは提案できなくて(笑)。純正ウェアだけではなくて、ウェスタンウェアやアメリカでしか買えないアウトローなバイカーズウエアを並べたら、もっと面白いお店ができるだろう…そう思って「HDC」を退社して独立しようと決心したんだよ。

ただ、僕はハーレーの車両の販売をやったことがなかったから、1年半ほど地元のカワサキショップで店長として修行をやらせてもらったの。そのお店でもアパレルのコーナーを作って自分のアイデアを試してみたらうまくいってね。アパレルを置くことでお客さんが増えたし、お店に何度も遊びにきてもらえるようになったんだよ。自分がやろうとしていることは、お客さんからも求められているんだな、とその時に確信できたね。

ー独立するときは、苦労されたのでしょう。

玉田●お店の運転資金がなかったので、最初は本当に大変だったよ。「理想のお店を作りたい」という夢がなかったら辞めてしまっていたかもしれないね。ただ、お店が軌道に乗ってくるまでの大変な時期に、助けてくれた人たちがいてね。もう言葉にはできないくらい感謝しているよ。特に、神戸の「Moto-Com」の中山さんや名古屋のスタージスの伊藤さん、VIBES編集長の只野さんには本当にお世話になったよ。

お客さんや他のカスタムショップを紹介していただいたり、VIBES紙面でオープンの告知をしてもらったり、僕が所属してるMCのDEAD CATS主催のミーティング「TOYRUN 」で仲良くなった人がお店に遊びに来てくれたりと、感謝しきれないくらい助けてもらったね。そういう想いに応えられるように、もう最初の頃はガムシャラに頑張ったから、中古の原付も売ってたなぁ。

ー私が「モトブルーズ」に遊びに行くようになったときには、もうウェアや雑貨がたくさんあるお店でしたし、お客さんもたくさんいらっしゃって、軌道に乗り始めていたんですね。

玉田●あの頃はまだお店がオープンして1年くらいの頃で、実は大変な時期だったんだよ(笑)。お店が狭かったから、お店の車両とお客さんのバイクが並ぶと、店構えは「たくさん車両があるカスタムショップ」のように見えるけども、お客さんの車両が展示車両に見えていただけだよ(笑)。繁盛しているように見えたんだろうね。あとは、君みたいにしょっちゅう遊びに来てくれる人にも助けられたね(笑)。

ーあんまり買い物はしていなかった気がしますが(笑)。今の広いお店がオープンしてからは、私も本当によく遊びに行くようになってしまいましたね。バイカーグッズのスペースも広くなり、「モトブルーズ」さんに遊びにいくと、必ず何か面白いものがありましたからね。

玉田●それが僕のやりたかったお店なのね。車検や修理がなくても気軽に遊びに行くことができる、お店に行くとバイクだけでなく、たくさんのバイカー系のグッズも手に取って見れる。そうするとバイクに乗るのがもっと楽しくなってくるよね。「モトブルーズ」はお店をきっかけにバイクライフも提案できるお店にしたい、それが昔からの夢だった。でもね、高いモノ買わないし、安モノは要らないでしょ。だから、今は出来るだけ「オリジナルもの」や「カスタム」に力いれています。

プロフィール
玉田 善則
46歳。兵庫県神戸市のショップ「モトブルーズ」代表。「ダイナグライド・デイトナ」を所有。彼のお店では、1Fにハーレーを中心としたバイク、2Fにバイカーズグッズが所狭しと並ぶ。まさにファッションの街、神戸の名に恥じないショップだ。バイクに乗っていない人でも十分に楽しめる。

Interviewer Column

「モトブルーズ」の玉田さんは年に20回以上もミーティングに出展している毎週どこかのミーティングに行っていることになる。タフな人だ。多くの人が玉田さんと出会い、慕ってお店に遊びにやってくる、その賑やかさに惹かれ、大学生の頃の私もいつの間にか「モトブルーズ」にお邪魔するようになっていた。「モトブルーズ」がなければ私はきっとアメリカンバイクのカスタムに目覚めていなかっただろうし、ハーレーに乗ることもなかったかもしれない。(ターミー)

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