かつて10年間にわたってラインナップを飾った往年の名車、ナイトトレイン。FXSTSB バッドボーイの後を継ぐ流れで生まれたダークチョッパーモデルで、こちらはその初期モデルをベースにブラッククロームのセンスをそこかしこに注入した一台である。かつて有名アーティストのツアーパンフレットにも起用されたこともあるなど、同ショップのヒストリーを語るうえで欠かせないモデルとも言っていい。
「チョッパースタイル向きなこのナイトトレインを、どこまでスマートにまとめられるか。もちろんハーレーらしいドコドコ感もしっかり引き出しつつ、というところをポイントに作り上げました」
ワンオーナーを経て、現在の主であるブラックナイトさんの元へたどり着いたナイトトレイン。RSD製ハンドルバーやスラッシュカットエキゾーストなど新しいオリジナリティを加えつつ、手がけられた当初のコンセプトを失わないスタイリングには深い味わいを感じる。
ポイントはフロントフォークだ。パットケネディーズ製の可変式フォークを採用しており、微調整だけでロングフォーク化することが可能なレアパーツをチョイス。現在は乗りやすさを重視してオーソドックスな長さを保っているが、その気になればキャプテンアメリカ号も顔負けのロングフォークモデルに変身させることができる。
「松本さんに勧められて購入を決めたんですが、乗れば乗るほど“これを選んでよかったな”って思えるハーレーらしい乗り味とスタイルが魅力です。新しいカスタムについては、いろいろと思い描くところではありますが、今のスタイルには十分満足しています」
ブラッククロームらしい味付けで、よりソリッドなスタイルに仕上げられたチョッパーナイト。FXモデルカスタムの参考例となりえる完成度と言えよう。