リアフェンダーのカッティングが終わり、前々回着手したワンオフのフューエルタンクを煮詰めていく。ここで、改めて今回のカスタムプランの核に触れておかねばならないだろう。
本モデル XL1200X FORTY-EIGHT はファクトリーカスタムモデルとして脚光を浴びる一台で、特徴は多々あるものの、とりわけどこがポイントかと問われれば、多くの人が「ピーナッツタンク」と答えることと思う。1948年にハーレーダビッドソンから生まれた 125ccモデル S-125 に組み込まれていたコンパクトなタンクを採用、FORTY-EIGHT (48)のネーミングもその生まれ年に由来するなど、このモデルのアイコンとしてデビュー以降、ファンの注目を浴び続けている。
今回のカスタム企画で、オーナーと HIDE MOTORCYCLE はこのピーナッツタンクをより小さくすることに挑む。FORTY-EIGHT カスタムのヤマ場とも言えるこのポイントを見逃してはならない。
上記の「作業日数」は2日間となっていますが、タンク ワンオフ① ⇒ リアエンド作成 ⇒今回と、すべて通しで見ると一週間ほどかかっているんですよね。作業そのものも大掛かりですし、しかしながら繊細さも求められるので、これら一連のカスタム作業はとてもエネルギーを使います。
ハーレーのカスタムにおいて、車体のスタイリング形成はもっとも重要であり、ここを美しくまとめるか否かでそのカスタムプランの価値が大きく変わる――と HIDE MOTORCYCLE では考えています。やはり乗車時のカッコ良さももちろんですが、オーナーが振り返って自身のバイクを見たときに「カッコ良いな」と思えるのが一番ですからね。それにしても、今回は過去最小のフューエルタンクになりました(笑)。
次回はシートのワンオフ製作です。こちらはシート職人に依頼するので、今回までの一連の流れも含め、スタイリングに合ったシート形成を進める工程をご紹介します。