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ハーレー乗りのヘルメット選び アレコレ
    構成/VIRGIN HARLEY.com 編集部
    掲載日/2012年08月08日(水)

オーナーと愛車を引き立てる必須アイテム
ハーレー乗りならではのヘルメット選びを

なぜ、ハーレーに乗ろうと思ったのか。「カッコいいから」、「憧れだったから」、「ハーレーだから」……理由はさまざまあるが、ハーレーダビッドソンというモーターサイクルがビジュアルやファッション性という側面から見て魅力的だという部分が大きいように思える。だからハーレー乗りは、自身とバイクをよりカッコよく引き立てようと、ヘルメットからウェア、バイク、はてはサドルバッグといったツールにまでこだわりを見せる。

 

中でも、バイクの次にオーナーを引き立てるのがヘルメットだ。バイクに乗る以上、ヘルメットは必需品という当然の理由に加え、“見た目の印象”という点でも占める割合は相当に大きい。今や市場にはさまざまな種類のヘルメットが登場しており、その中から、デザインから予算面を考慮しながら、「これぞ」の逸品を購入されていることだろう。

愛車と同じで、ヘルメットの選び方も千差万別。まずはヘルメットの種類からチェックしていこう!

愛車と同じで、ヘルメットの選び方も千差万別。まずはヘルメットの種類からチェックしていこう!

 

改めて今回、ハーレーライフを送るうえで見過ごせないヘルメットの選び方というものを検証していきたい。決してこれが正解だとか王道だとか言うわけではなく、今後のヘルメット選びの参考として見ていただければ幸いだ。

知っておきたいヘルメットのアレコレ

ジェッペルがスタンダード?
まずは自身のバイクライフを探ろう

「ハーレー乗りがかぶっているヘルメットと言えば?」、そこで思い浮かべるのがジェットタイプのヘルメットだろう。映画『イージー・ライダー』で主演のピーター・フォンダがかぶっていたイメージはもちろん、ハーレー系イベントやミーティングに行くと、ジェットヘルメット率の高さに気づくことと思う。その理由を考えるに、顔全体を覆い隠すフルフェイスタイプ (システムタイプ、オフロードタイプ含む) だと、ジェットヘルメットに比べてオーナー全体のイメージを強めてしまいがちで、アイウェアやファッション性を楽しみたい人にとっては露出のバランスがちょうど良いということなのだろう。

 

また、ヘルメットの歴史という側面も忘れてはならない。古くは 1950 年代、世界でヘルメット開発に着手するメーカーが誕生した。主に四輪レース用ヘルメットで、次第にバイク用ヘルメットの開発にも着手されていくが、それでも当時は大変高価なものであり、一般のライダーが簡単に手に入れられる代物ではなかったと言われる。それが 1970 年代に入り、徐々に一般向けバイク用ヘルメットというものが普及していく。ここから 80 年代にかけ、時代背景をそのまま反映したかのような独特のデザインが施されたヘルメットが登場、バイクの世界が華やかになっていった。

 

1970 年代当時、もっとも種類が多かったのがやはりジェットヘルメット、そしてハーフヘルメットだった。「フルフェイスはレーサー、ジェットやハーフは一般向け」という当時のイメージ、そして映画『イージー・ライダー』の封切りもあって、ジェットタイプなどがスタンダードになった感は否めない。もちろん、BELL STAR など一般向けフルフェイスタイプも販売されていたが、比率としてジェットが多かったのは事実だろう。

 

だが現代を見渡すと、ヘルメットのタイプは多岐に渡り、バイクライフも昔以上に幅広さを持つようになった。ハーレーダビッドソンというモーターサイクルがヴィンテージルックを保ちつつ進化しているので、どうしてもルックスを重視した場合はジェットタイプがフィットしやすいが、何より大事なのはオーナー自身が愛車であるハーレーとともに、「どんなバイクライフを楽しみたいと思っているか」ということだろう。快適なツーリングライフを充実させるためにシステムタイプを選んだっていいし、スポーツ性能を高めたスポーツスター XR1200 ならフルフェイスが向いているとも思う。

 

ハーレーであるがゆえにルックスを重視してしまうところだが、選択肢は無限にある。まずは「自分がもっとも楽しいと感じるバイクライフの瞬間は何か」、そして「バイクと自分自身に似合う (または引き立てる) ヘルメットは」という点で、いろんなタイプのヘルメットを見て回るのが一番良いだろう。

 

フルフェイスタイプ

フルフェイスタイプ

顔全体を被ってくれるので、安全性という点で言えばフルフェイスだ。一方、ハーレーをベースとするとジェットヘルメットなどの方がフィットすることから、ハーレーという観点から見ればスタンダードではない。しかし、それも楽しみ方によりけりだろう。

ジェットタイプ

ジェットタイプ

安全性という点ではフルフェイスに劣るものの、のんびりと風を味わいながらツーリングを楽しむハーレー乗りにもっとも向いているタイプ。シールドを標準装備しているものとしていないものに分かれるが、好みで使い分けられるメリットも◎。

システムタイプ

システムタイプ

近年続々とモデル数を増やしているニュータイプのモデル。カテゴリーはフルフェイスと同様ながら、フリップをあげればジェット並みの開放感が得られるなど機能性に秀でている。ロングツーリングを楽しみたい人にとっては使い勝手のいいタイプだ。

オフロードタイプ

オフロードタイプ

いわゆる未舗装路を走るオフロードライダー向けモデル。ハーレーとの相性は「?」と思われがちだが、トラッカー型やシルエットがすっきりしたスポーツスターなどに似合うこともあり、使用者は決して少なくない。安全性の高さや視野の広さも魅力。

ヘルメットをデザインしよう!

こんなテもアリ!
デザインヘルメットで差をつけよう!

ここでは“デザイン”という部分に焦点を当てて検証しよう。個人の好みは千差万別なので、当然デザインに対する好みだって画一的ではない。バイク用品販売店などでヘルメットの棚を見ていて、「これのデザインがフレイムスだったらなぁ」、「グリーンじゃなくてブルーだったらなぁ」、「このデザインがあっちのタイプのヘルメットであればなぁ」なんて思われたことはないだろうか。かといってメーカーにオーダーなんてすることはできない。「だから、その中から選び抜いたヘルメットを使用している」というのが一般的である。

 

だが、ちょっと手を加えるだけでヘルメットというのは劇的に雰囲気を変える。その選択肢が、「ピンストライプ」、「フルペイント」といったところ。一例として、本サイトの ツーリングゼミナール にて連載コラムを担当しているカメラマンの増井 貴光さんのヘルメットを取り上げてみよう。さまざまなバイク雑誌に携わるという仕事柄、状況に応じてフルフェイスやジェット、オフロードなどを使い分けているのだが、誌面にも登場することもあるのでビジュアルにも気を使っている。そこで増井カメラマンは、馴染みのペインターに依頼してピンストライプでアクセントを入れているのだ。

 

欲を出すならば、プロのペインターにフルペイントを依頼し、この世にひとつだけのヘルメットを手に入れる――というのも大いにアリ。しかしながら、フルペイントとなるとそれなりの費用がかかってしまう。またピンストライプと一口に言ってもさまざまで、増井カメラマンの VFX のようなものになると、限りなくフルペイントに近いレベルである。これについては予算との相談となってしまうが、「予算は限られているが、今のヘルメットにプラスアルファを加えたい」という人には、ピンストライプという選択肢を提案したい。

ピンストライパーに依頼するには、アトリエに行くか、各地で開催されるカスタムショーでブース出展している彼らを探すのが良いだろう。

ピンストライパーに依頼するには、アトリエに行くか、各地で開催されるカスタムショーでブース出展している彼らを探すのが良いだろう。

増井カメラマンが現在使用するヘルメットがこの2点。オフロードヘルメットには真っ赤なフレイムスを、そしてショウエイの XR1000 には同じく赤いピンストライプを入れ、ノーマルのそれとは違った雰囲気を与えている。

増井カメラマンが現在使用するヘルメットがこの2点。オフロードヘルメットには真っ赤なフレイムスを、そしてショウエイの XR1000 には同じく赤いピンストライプを入れ、ノーマルのそれとは違った雰囲気を与えている。

デザインヘルメットのあれこれ

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COLUMN

気をつけなきゃいけない規格外ヘルメット

上記記事で紹介した以外のカテゴリを持つヘルメットがある。代表的な選択肢として、「ハーフタイプ (半キャップ)」、「規格外ヘルメット」、そして「ヴィンテージヘルメット」といったところ。これらを選ぶ際の注意点をご紹介しよう。

 

【ハーフタイプ】

いわゆる半キャップと呼ばれるもので、見かけるハーレー乗りの中にはこのハーフタイプを着用している方もチラホラ。だが、これは法令上、「125cc以下対応」とされており、軒並み大排気量のハーレーでの着用は違反対象となる。安全性という面から見ても、ハーレーのパワーで事故を起こした際、露出度が高いだけにライダーの被害も小さくない。

 

【規格外ヘルメット】

「ヘルメット選びの基礎知識」にもあるが、SGやJISといった安全規格をクリアしていない装飾品扱いのヘルメットを指す。いわゆるアンティークとして販売されており、帽体が小さく着用時に頭部がコンパクトに見えることが大きな魅力のポイントだが、これを着用して公道を走ることは不可で、もちろん法令違反の対象(ノーヘル扱い)となる。

 

【ヴィンテージヘルメット】

SGやJISといった現代の安全規格が整う前の時代に生産されたヘルメットのこと。今と違って基準が緩かった頃の生産品ゆえコンパクトな帽体のものが多く、ファッションという観点から注目する方も少なくない。ただ、こちらも規格外扱いであり、国内では“ヘルメット”として認知されない。つまりこれを着用して公道を走れば未着用扱いとなる。

ハーフヘルメットが悪いわけではない、あくまで 125cc 以下が対象だという理由だ。

ハーフヘルメットが悪いわけではない、あくまで 125cc 以下が対象だという理由だ。

ヴィンテージヘルメットの扱いは“アンティーク”であり、ヘルメットとは認知されない。

ヴィンテージヘルメットの扱いは“アンティーク”であり、ヘルメットとは認知されない。

 

これらのヘルメットに共通する魅力が、「帽体が小さく頭部がコンパクトに見えること」だ。しかしながら、いずれも自己責任の範疇を超えており、また何かが起こった後のことを想像するに、当編集部としてはオススメできないものである。最終的な判断は皆さん自身なわけだが、こうした背景を知った上で、ヘルメット選びをご検討いただきたい。