VIRGIN HARLEY |  1941年式 KNUCKLEHEADフルカスタム

1941年式 KNUCKLEHEAD

  • 掲載日/ 2011年10月06日【フルカスタム】
  • 撮影/磯部 孝夫  執筆/HOTBIKE japan 編集部 満永 毅
    本記事は HOTBIKE japan vol.121 にて掲載されたものです
1941年式 KNUCKLEHEADのフルカスタム画像
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古めかしい機能美と走行性能
生粋のナックル狂によるバスケット

ご覧の一台は、東京・豊島区で CHOP STICK CHOPPERS を営む山口和俊の愛車だ。年式・型式を問わずハーレーを扱い、カスタムにも力を入れる同店だが、お客さんを引き連れてのツーリングも定例行事。一泊二日の近場だけでなく、目的地が九州に設定されることもある。そしてどこであろうと店主はこのナックルで走る。ポイントが遠ければ遠いほどテンションが上がる。山口はそんなタイプのバイク乗りでもある。

「ナックルはいいよ」

ことあるごとに耳にする彼の口癖も、このナックルとの20年を超える付き合いを知れば、これはもう納得せざるを得ない説得力がある。数発のキックで火が入り、クラッチも調律されドラムブレーキの制動力もなんら不安なし。主の体格にピタリと合わせたというコンパクトな車体は、喧騒に包まれた東京をキビキビ走るには好都合だ。「ナックルはいい」の真意を試乗後に再認識。

「ロッカーカバーの造形とかさ、やっぱりたまらないじゃん? それが魅力の大半かな。でもナックルって、今や普通のひとが買える値段じゃない。純正度にこだわればなおさらね。でも左右のケースがマッチングじゃなかろうと、フレームとエンジンの年式が異なろうと、調子良く走ればオレはいいと思う。飾り物じゃない。あくまでもバイクだからね」

生粋のナックル狂。しかし純正原理主義にあらず。このナックルにしてもさまざまな年式のパーツを寄せ集めたバスケットだ。ただし調子は抜群、そして妙に速い。山口の「ナックルはいい」という言葉には、希少価値という要素は含まれていない。そこにあるのは古めかしい機能美と走行性能だ。

「メカニズム的に見れば、確かに勘所を押さえないと調子は出ない。ただナックルならではのウィークポイントを把握して、それを対策すれば滅多に壊れない」

主とともに刻まれた歴史。バイク屋のオヤジの分身である。

1941年式 KNUCKLEHEADのフルカスタム画像

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山口和俊と聞いて Zero chopper spirit を思い浮かべるひとは熱心なカスタムフリークだろう。今から10年ほど前、山口は好きが高じて Zero engineering の写真集を出版している。このナックルで展開されるメタルコンシャスな風合いも、Chabott Engineering 木村信也の強い影響を感じさせるものだ。エクステリアやシートなど、ベアメタルのようなフィニッシュが印象的。シルエットの要はフレームで、ネック部が若干下げられると同時にネック角も立たされている。VLフォークと絞り込まれたワンオフハンドル、自転車用のレバーにラビットのメーターなど、ディテイルにも主の趣向がさりげなく反映される。使い込まれた大きなサドルバッグは「足」バイクの証。
SHOP INFO.
住所/千葉県柏市五條谷22-11
Tel/047-199-7341
営業/10:00~19:00
定休日/月曜

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