パッと見ただけでスポーツスターと気付く人は少ないだろう。何かと図体が大きい感があるラバーマウントスポーツスターがベースとはいえ、そのずんぐりとしたスタイルは本来のイメージからかなりかけ離れたものである。
イメージソースは、BMW Motorradのヴィンテージモデル R 100。現行モデルをベースとしつつ、「ラクにツーリングが楽しめるシンプルなスタイルを」と、大阪のトランプサイクル代表 長岡 守氏がプロデュースした同ショップでは珍しいシルエットのカスタムスポーツスターだ。フルチタンマフラーにFRP製ライトリアフェンダー、前後のサスペンションのグレードアップなど、同ショップオリジナルのパーツ群でカスタマイズしているのだが、とりわけ目を引くのはタンク、シートなどのワンオフ製作というディテールだろう。
まずフューエルタンクだが、オーナーのイメージするBMW R100をインスパイアした容量の大きいタイプに。そこに英国車などに見られるエノットキャップを装着し、ヨーロピアンな薫りを醸しつつもオリジナリティを演出することに成功。ラクなライディングポジションにするため分厚いレザーシートを作成、さらにハンドルバーもインチではなく細身のミリサイズでワンオフ製作。実際にまたがってみると、なるほど往年の英国車のような背筋が伸びるポジションで、ハンドル位置も高すぎず低すぎず、落ち着いた姿勢でライディングが楽しめるスタイルとされている。
最後にタバコブラウンという個性的なカラーリングでまとめられたこの一台、“攻める”のではなく“流して楽しむ”スポーツスターに仕上げられている。走行性能を最大限に引き出すトランプの十八番はそのままに、カスタムスタイルの新機軸を見せつけられたかのようだ。
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