VIRGIN HARLEY |  ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラ試乗インプレ

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラ

  • 掲載日/ 2022年07月08日【試乗インプレ】
  • 取材協力/HARLEY-DAVIDSON 取材・写真・文/小松 男
ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラのメイン画像
HARLEY-DAVIDSON FXLRST LOW RIDER ST(2022)
空冷Vツインとソフテイルフレームを組み合わせるハーレーの王道的パッケージングであり、往年の名機、FXRTを彷彿とさせる美しいスタイリングで纏められたローライダーST。2022年ブランニューモデル陣の中でも特に注目度の高い一台だ。

ローライダーSから派生した
新たなスポーツクルーザー

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの01画像

初代ローライダーが登場したのは1977年のことであり、長い歴史を持つハーレーダビッドソンを代表するモデルの一つだ。ハーレー創始者直系の一族であるウイリーGダビッドソンが手掛けた多くの名機の中でも、特に幅広い層に支持され、これまでも様々な派生モデルを輩出してきた。

2020年にソフテイルフレームへと移行し登場したローライダーSはいわゆるクラブスタイルで纏められているモデルで、現在のハーレーモデルラインナップの中でも屈指の高い人気を誇るものとなっている。そして今年2022年から、ローライダーSTという新たなモデルが加わったのだ。

ローライダーSTは1986年に登場したFXRTを彷彿とさせる形状のフロントフェアリングやサイドバッグを装備したスタイリングで纏められており、これは現在のクラブスタイルのトレンドをしっかりと反映したものでもある。バイク業界内では発表と同時に売れることが確定しているモデルとまで噂されていた注目の一台だ。国内でのデリバリーが開始されたばかりであるローライダーSTに実際に触れ、その感触を確かめてみることにする。

FXLRST ローライダーSTの特徴

スタイリングはネオクラシック的、
中身は最新テクノロジー満載

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの02画像

昨今のハーレーカスタムシーンにおいて頭角を現してきたクラブスタイル。ストリートを駆け抜けるフリスコスタイルとも近いものだが、アメリカの人気ドラマシリーズ、サンズ・オブ・アナーキーの劇中モデルのように、クラブチームで走る姿からクラブスタイルとして確立された。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの03画像

ロングライザーやコンパクトなフェアリング、ガンファイターシートなどを装備したスタイルが基本的であり、それはまさしくローライダーSのスタイリングに直結するものなのだが、ここ最近は80年代のモデル、FXRTのフェアリング、またはそれに近いレプリカフェアリングを装備することがトレンドとなっていた。そんなストリートカスタムシーンの動向を受けて、ハーレーが今期マーケットに投入したのがローライダーSTというわけだ。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの04画像

フェアリング形状やサイドバッグの装備などはFXRTを連想させるものの総じて現代風に洗練されており、オリジナルモデルで感じられる旧車然とした雰囲気ではない。それはハーレーダビッドソンのネオクラシックモデルとも言える佇まいである。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの05画像

ローライダーSTの魅力はスタイリングだけではない。最新のソフテイルフレームをシャシーとし、エンジンにはハーレー史上最大排気量を誇るミルウォーキーエイト117エンジンを採用。さらに最新のテクノロジーを満載とした一台となっているのだ。

FXLRST ローライダーSTの試乗インプレッション

良好なライディングポジションで、
ハイポテンシャルを扱いきる

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの06画像

独特な形状をしたフレームマウントのフェアリングを備えたローライダーSTは、まずその見た目からしてどのような乗り味なのかを頭に思い浮かべワクワクさせてくれるものだ。車体に跨りスタートボタンを押すと、1923ccもの特大排気量のVツインだということを忘れさせるほど、ミルウォーキーエイト117エンジンはスマートに目を覚ます。

最近はハーレーの新しい水冷モデルに乗ることが多く、それらのクラッチレバー操作の軽さに驚いていたが、ローライダーSTは旧来ながらのしっかりとレバーを握らなければならない感触が残っており、それがむしろ手になじむ。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの07画像

ギアを1速に入れて走り出す。極めて低回転域から大きなトルクを発生するため、ほとんどスロットル操作を行わなくとも前へ前へと車体を押し出す根底の力強さ。そして少しでもスロットルをラフに操ると、いきなり牙をむき出しにしてくる凶暴な一面。これは面白い。2500~3000回転という低い回転数でも得盛り感満載のパワフルパフォーマンスを見せつけてくる。

強烈な加速を楽しむものだから、おのずと上体は伏せ気味の格好となり、そうすると前後方向に長い形状のフロントフェアリングの内側からは、まるで戦闘機のコクピットにいるかのような景色が広がる。これがなんとも良い眺めなのだ。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの08画像

ステップワークでも、タンクの外側に膝を押し当てるようにしても、車体は思った方向に向きを変えてくれる。この運動性能、バランスの良さは、ハーレーダビッドソンの中でトップクラスのスポーツモデルだ。

市街地からワイディングまでどこを走らせても、パタパタと車体を良く寝かせることができ、驚くほど曲がってくれた。乗り味での大きなポイントは、リアサスペンションが延長されていることに伴いバンク角も深くなっていることで、コーナーを攻めるような走りをしても、ステップが接地することはまずない。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの09画像

もちろん直進時の安定感もしっかりしているので、ストレスなく気持ちの良い走りを楽しめるのだ。実は触れる前はローライダーSと比べてビッグサイズのフェアリングやサイドバッグなどが装備されていることもあり、もっとおとなしい性格にされているものと考えていたが、パワフルでエキサイティングな走りを楽しめるセッティングでまとめられていることに、良い意味で裏切られたと感じた。

スロットルワークに合わせてシュゴーシュゴーと耳に伝わってくる吸気サウンドと、張り裂けんばかりのエキゾーストノートは、ライダーに対し”もっと速く走らせろ”と掻き立ててくるようだ。だからこそ自制心も必要となってくる。実際のところ、ジェントルマンというよりはアウトロー的な立ち振る舞いをしてしまいがちではあるが、それでいながらもスーツ姿で駆って似合ってしまうような高級感をも併せ持っている点もローライダーSTの魅力だ。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの10画像

それとテスト中、車両のスタイリングカットを撮影していて気づいたのだが、右側のサドルバッグがマフラーの干渉を避ける形状とされているために、左側のバッグと比べて小さい。左右合わせた積載量は必要にして十分なものではあるが、ストリートからショートツーリングでの使い勝手がもっとも良いだろう。 ローライダーSTは案の定高い人気で、現在品薄状況が続いていると耳にしている。気になる方は、早めにディーラーに問い合わせてみると良いだろう。

FXLRST ローライダーSTの詳細写真

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの11画像

ハーレーダビッドソン史上最大である排気量1923ccを誇るミルウォーキーエイト117エンジンを搭載。最大トルク168Nmを3500回転という低い回転数で発生させる。ハイパフォーマンスエアクリーナーボックスを採用し、見た目も吸気音も良い。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの12画像

ローライダーSと同形状のRadiateキャストアルミホイールを採用。フロントタイヤは110/90B19とされ細身かつ大径なサイズだが、接地感が高く想像以上に良く曲がる。リアタイヤとのバランスやフロントフォークのセット位置などが入念に考えられている。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの13画像

ローライダーSと同形状であるミッドセットされたショットガンタイプのマフラーとの接触を避けるため、右側のサドルバッグは左側に対してコンパクトな形状とされている。そのために、バッグを装着していてもスポーティな印象を受ける。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの14画像

ガンファイタータイプのシートは、リアサスペンションがローライダーSと比べて長く設定されたものが採用されており、それに伴いシート高は3/4インチ(約10mm)高い720mmとなっている。とはいえ足つき性がスポイルされているような感じではない。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの15画像

ステップバーやシフトチェンジレバーはリラックスした位置にセットされており、長時間走らせても苦にならない。バンク角も深めなので、ステップバーが接地することもまずないだろう。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの16画像

ハンドルライザートップにインサートされたメーターディスプレイ。コンパクトな形状であるがインフォメーションの視認性は良い。速度、回転数、走行距離など表示を変更できるほか、残燃料計やシフトインジケーターも備えている。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの17画像

ハーレーダビッドソンに長く採用されている左右振り分けウインカータイプのオーソドックスなスイッチボックス。手に馴染み操作性も良い。下方にはクルーズコントロールスイッチも備わっている。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの18画像

容量18.9リットルのボリューム感のある燃料タンク。クルーズ時などは膝が開いてしまいがちだが、ワインディングなどではニーグリップもしやすい形状だった。ボディカラーは写真のビビッドブラックとガンシップグレーの2色を用意。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの19画像

FXRTを彷彿させるフレームマウントのフェアリング。エッジの立ったデザインとされているために、引き締まった印象を受ける。乗車時に広がる景色はこれまでにないもので、エキサイティングな走りを掻き立てる。防風性能も高かった。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの20画像

スモーククリアーレンズでカバーされたLEDテールランプと、そのベースから左右にステーが延長されてセットされたリアウインカー。ショートタイプのリアフェンダーに備わっており、後方からの視認性も良い。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの21画像

サドルバッグは左右合わせて53.8リットルの容量を誇る。横方向に開閉するタイプだが、荷物の落下防止ネットやダンパーが備わっており、使い勝手は良好。脱着もワンタッチで行うことができる。

ハーレー2022年モデルの「FXLRST ローライダーST」を試乗インプレ!破壊力抜群の攻撃的キャラの22画像

ハーレーダビッドソンのアイデンティティでもあるベルトドライブを採用。ソフテイルフレームなのでサスペンション本体は見えないが、ストローク量1/2インチ、リアホイールトラベルを1インチ延長したモノショックを採用しており、乗り味の個性を引き立たせている。

ピックアップ情報