VIRGIN HARLEY |  バイク駐車場問題って今どうなっているの?二輪車研究室

バイク駐車場問題って今どうなっているの?

  • 掲載日/ 2008年08月08日【二輪車研究室】

バイク駐車場の画像

駐車場問題って
今どうなっているの?

2006年6月に改正道路交通法が施行されたことにより、街中での路上駐車取締りが厳しくなったのは記憶に新しいだろう。施行後に民間の駐車監視員が路上駐車の取り締まりを行うようになり、都心で見かけるバイクの姿が大いに減ったのは誰しも感じているはず。もちろん、駐車禁止の場所にバイクを停めるのはいけないこと。歩道や路上にバイクを停めることで、通行の障害になっていることがあり、その取り締りについては我々も納得のいくところだ。ただし、改正法の施行前後にクローズアップされてきた二輪車の駐車場問題は、この法改正の賛否とは違うところに問題点がある。それについて、今回はご紹介しよう。

法のエアポケットに落ちていた
バイク用駐車場問題

バイクの駐車違反取り締まり件数の推移グラフ

まずは駐車場問題を語る際には外せない「駐車場法」についてお話しよう。日本全国にある駐車場に一定のルールを設けるために1957年に制定されたのが駐車場法だ。しかし、2006年11月に改正駐車場法が施行されるまで、50ccを超えるバイク(以下、バイク)は駐車場法の対象となっておらず、自動車のみを対象とした法律となっていた(現在、バイクは駐車場法の対象となっている)。ちなみに、50cc以下の原付は「自転車法」の対象となっており、バイクが停められる駐車場は法で一切規定がなかったのだ。駐車場法や自転車法は、自動車や自転車のために整備される駐車場の要件を規定したものであり、それぞれの法に従って、自治体や民間企業は駐車場の整備を行っている。バイクがどちらの法律の対象にもなっていなかったことから、バイク用駐車場はこれまでほとんど整備されてこなかったのだ。最近でこそ変わりつつあるが、自動車用の駐車場にはバイクの駐車スペースが一切なく、自転車用の駐車場でバイクの駐車が断られるのは、バイクがこのような駐車場に関する法律のエアポケットに落ちていたことが大きな理由だった。しかし、我々ライダーもそのことを特別問題としてこなかったのも事実。改正道路交通法が施行させるまでは、路上駐車をしていてキップを切られることが滅多になかったため、バイクを停めたい場所の周囲に駐車場があろうがなかろうが、一切気にしてこなかった。しかし、改正道路交通法の施行後は、駐車場に停めないと路上監視員にキップを切られてしまうため、バイクの駐車場が都心部にないことが問題に上がったのだ。法律は整備されていないが、路上駐車をしても取り締まられることはまずない。そういった理由から放置されてきた矛盾が、ここへきて噴出しているのだ。

駐車場法が改正されたものの
なかなか進まない駐車場整備

自治体が取り組む二輪駐車場対策の内容グラフ

2006年11月の改正駐車場法の施行により、バイク用駐車場の整備促進が各自治体に義務付けられた。しかし、どのような整備促進事業を取るのか、は各自治体に任されているため、都心部では街に集まるバイクの台数に見合った駐車台数が確保できていないのが、現状だ。ショッピングセンターなどでは車の駐車スペースの一部をバイク用の駐車スペースに切り替える動きもあるが、セキュリティ問題など今後クリアすべき課題は多い。また民間のコインパーキングでは、収益が成り立つ事業プランがなかなか描けておらず、バイク用駐車場を民間のパーキングで増やす動きはなかなか進んでいないのが現実だ。バイク用駐車場の整備に関しては、助成を行っている自治体もあるものの、整備促進の対策を取らず、違法駐車の取り締まり強化だけを行っているところも多い。バイク用駐車場整備はまだ始まったばかり・駐車スペースを気にせず、都心にバイクで向かえるようになるのは、まだ先のことになりそうだ。

ただ、我々ライダー側が意識を変えなければいけない点もある。自治体に「バイク用パーキングがない」とただ批判をするだけではダメなのだ。徐々にではあるが、整備がはじまったバイク用パーキングの近くなのに、駐車禁止スペースにバイクが停められていることはまだまだ多い。「バイクの駐車=無料」という意識が強いとは思うが、都心部での買い物や仕事のときには、バイクであっても駐車料金が必要になることは認識しておくべきだろう。せっかく整備されたバイク用駐車場が、まったく使用されないとなると、新たな駐車場整備が進まないことだって考えられる。なお、一時駐車が可能なバイク用パーキングを探す際に便利なサイトも東京都限定ではあるが登場している。都心を訪れる際には、あらかじめ時間貸パーキングを探して都心に出かけることもできるようになってくるだろう。

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