ハーレーはエンジン部分がむき出しだったり、メッキ部分が多かったり…綺麗にしてやらないと汚れが目立ってくるバイクです。スチール部分が多いため、放っておくと錆びが出てきてしまいます。そこで今回はプロが推奨する洗車方法と汚れ・錆が出やすい部分の紹介を行いたいと思います。洗車はメンテナンスの第一歩です。ご自分の手で触れるか、触れないか…愛車への愛情を示す行為というと大げさでしょうか(笑)? 洗車は実に楽しく、朝からやり始め気がつけばもう夜、なんてことは当たり前。実に楽しい作業です(オイオイ…)。 みなさんが洗車を愉しめるよう、洗車のノウハウをご紹介しましょう。
洗車とは愛車を綺麗にするのが目的ですが、バイクの傷や錆なども含め、車両の各部をチェックできるため、普段から愛車のコンディションを知ることができます。「お! こんな所にキズが!」などと驚いても、実は半年前のキズだった…なんて事のないように普段から心がけましょう。新人メカニックの仕事はまず「洗車」から。昔から良く聞く話ですが、これは理にかなっている話で、当店でもそうです。洗車を通じて車両の隅々まで確認し、トラブルの種に「気づく」ことを覚えるトレーニングとして非常に有効な作業なのです。
電装部品に水がかからないようにするため、水を使わずに車両を綺麗にした方がいいのでは?という質問を受けることがあります。もちろん、間違った考えではありませんが、水洗いは汚れを浮かせ、スッキリ流せるのでオススメです。水を掛けるのに躊躇する気持ちは分かりますが、重要なのは水をかけたら水分をキッチリとる事。これさえ守れば怖くありません。ショップには「コンプレッサー」がありエアーでキッチリ水分を短時間で飛ばす事ができます。たとえ、コンプレッサーがなくとも、時間をかけてキッチリ拭き取りができれば良いでしょう。水滴が残ると錆の原因になりますのでお気をつけください。
では、実際の洗車の手順についてご紹介しましょう。
このように、意識的にスポンジとブラシを使い分けると便利です。あとは水で洗い流し、洗ったところをよく確認してください。まだ汚れが残っているようであれば、もう一度手順3・4を繰り返す。早くやる必要はありません。慎重に作業しましょう
洗車をするときはエンジンが熱くないときを選びましょう。ツーリングから帰ってきてすぐに水をかけると、モウモウと水蒸気が上がります。熱いものを一気に冷やしてしまうのはメッキにも素材にもよくありませんので、エンジンが熱いうちは水をかけず、しばらくしてから洗車をはじめましょう。 また、忘れてはいけないのが天候です。意外かもしれませんが、夏の天気のいい日は「洗車日和」ではありません。炎天下では、作業半ばで「水のカルキ分」や「洗剤分」が乾き白く残ってしまうため、作業がしづらい天候なのです。そんなときは、風通しのいいところ、できれば日陰で作業を行いましょう。ワックスの仕上げも楽になりますよ。コイン洗車場の高圧洗車機で洗車を行う人もいますが、これは注意が必要です。メーターやイグニッション廻りの電気系に直接掛けるのは止めてください。水圧が高いため、電気系を痛めてしまうリスクがあります。泥汚れやエンジン廻りの洗浄だけであれば有効で、洗車が早く終わるので良いと思います。しかし、ノズルを近づけすぎて洗車をしてはいけませんよ。お気に入りのステッカーが剥がれてしまうことがあるくらい高圧の水が出ていますからね。
洗車をするときにはまず、シートを外します。シートの縫い目に水が染み込むと後で後悔してしまいますよ。最近では本皮シートなどもありますので、簡単に外せるシートは外して作業をしましょう。皮バックなどの小物も当然外してくださいね。また、イグニッションのキーホールやエアクリーナーのエアー取り込み口などには、ガムテープでもいいですからマスキング(蓋をすること)を施しましょう。内部への水の浸入が防げます。
台所やお風呂掃除で使われている、中性洗剤を使って洗車する人もいるようですね。それでもまったく問題はありません。ただ、近頃のバイク専用の洗剤も発売されており、防錆剤が配合されているものや、ワックス分を必要以上に除去しないものなどが販売されています。用途や予算に合わせて使用するといいでしょう。
まずは水分をしっかり拭き取ること、次に水で洗い流されてしまったグリスや潤滑剤など塗布しましょう。そして最後に仕上げのワックスがけです。ワックスは固形タイプ、液体タイプ、どちらをお使いいただいても問題ありません。ワックスはタンクなど外装を埃などから守るためのものですが、紫外線から塗装面を守り、酸化を防ぐ保護剤の役割も実は持っています。そう言うと、つい厚く塗りたくなってしまうかもしれませんが、厚塗りは禁物です。薄く延ばすように塗るのがポイント。また当然ですが、各々のワックスメーカーの特性、特徴を知り使用上の注意は守りましょう。
冒頭でお話しましたが、洗車はメンテナンスの基本です。何か作業をする前には洗車、雨天走行後は早めに洗車、など洗車にはやり過ぎはありません。その日々変わる車体の変化に気づき始めたら、楽しくてしょうがなくなると思いますよ。また「何でココが黒いのだろう?今日はココを徹底的に洗ってやる」など、洗車する目標を決め、取り組んでみると意識が変わり楽しめるでしょう。みなさん、ぜひ洗車オタクになり愛車を労わってやってください。