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第3章 ショベルヘッド誕生とAMF傘下時代
ショベルヘッド誕生とAMF傘下時代 1957年〜1984年

第二次世界大戦が終結し、冷戦時代へと突入していったアメリカ合衆国。ベトナム戦争など再び戦火に包まれていく時代の最中、ハーレーもトライアンフなど英国産バイクという新たなライバルを迎えることになる。現在も旧車ファンのあいだで親しまれるショベルヘッドエンジンの開発や、対英国車の急先鋒スポーツスターの誕生など、新たなモーターサイクルのスタイルを生み出していくハーレー。さらにAMFの傘下に加わった10数年など、現在のハーレーダビッドソンの礎となった時代へと目を向けていく。

 

年代・ハーレーダビッドソンの歴史 世界の出来事
1957年
現代の人気モデル「スポーツスター」登場

新境地を開拓したスポーツスターXLモデル(ハーレーミュージアムに展示)わずか数年で販売を終えたKモデルに代わって登場したのが、現在も高い人気を誇るスポーツスター「XL」。アメリカ本土を席巻していたイギリス製バイクに対抗するために開発されたモデルで、高い走行性能を発揮した新型エンジンは「ショベルヘッド」と呼ばれた。
 

新境地を開拓したスポーツスターXLモデル(ハーレーミュージアムに展示)

・日本の南極越冬隊が南極大陸初上陸

・そごう東京店(有楽町そごう)開店

・ソ連が人工衛星スプートニク1号打ち上げに成功

・長嶋茂雄選手が巨人軍に入団

・百円硬貨発行

1958年
豪華なるビッグツイン「デュオグライド」

1962年式のデュオグライド「2つ(デュオ)の油圧式サスペンション搭載で軽快に走れる」を意味する造語から名づけられた優雅な一台が生み出された。外装もツートンカラーで彩られるなど、豪華な仕上がりとなっている。これ以降、デュオグライドはロングセラーモデルとして、長く親しまれることになる。
 

1962年式のデュオグライド

・アメリカ初の人工衛星、エクスプローラー1号打ち上げ

・日清食品が世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」発売

・王貞治選手が巨人軍入団

・初のブルートレイン「あさかぜ」が運行開始

・東京タワー竣工

・国鉄初の電車特急「こだま」が運転開始

1963年
ウィリー・Gがハーレーに入社

ハーレーダビッドソン2代目社長ウィリアム・H・ダビッドソンの息子、ウィリアム・G・ダビッドソンが入社。後に大ヒットモデルとなるローライダーのデザインを手がけるなど、ハーレーの歴史を語るうえで欠かすことのできない「ウィリー・G」が加わった時代だ。

・黒部川第四発電所(黒部ダム)完成

・日本初の高速道路「名神高速」(栗東〜尼崎)開通

・アメリカのケネディ大統領暗殺

・アニメ「鉄腕アトム」「鉄人28号」が放映開始

1965年
パンヘッドの最終モデル「エレクトラグライド」

電気式(セル)スターターを搭載した最後のパンヘッド搭載モデル「エレクトラグライド」が発売。スイッチを押すだけでエンジンが始動できる利便性が一般ユーザーに喜ばれ、エレクトラグライドは生産台数を倍増させるとともに、性能の高い日本製バイクへ流れかけていたユーザーを引き止める要素となった。

・アメリカが北ベトナム爆撃開始(ベトナム戦争)

・イリオモテヤマネコ発見

・日本サッカーリーグ開幕

・中国で文化大革命が起こる

1966年
ショベルヘッド登場!

1957年のXLモデルに搭載されていたエンジンをグレードアップさせた新型エンジンを開発。シリンダーヘッドの形状が採掘に使われるショベルに似ていたことから「ショベルヘッド」と呼ばれた。パンヘッドよりも馬力が10パーセントもアップしたエンジンと、セルスターターを搭載した最新モデル「エレクトラグライド」は人気を博した。

【左】新しい時代の顔となったショベルヘッドエンジン【右】1967年モデルのスポーツスターXLCH(左)とXLH

【左】新しい時代の顔となったショベルヘッドエンジン
【右】1967年モデルのスポーツスターXLCH(左)とXLH

・日本の総人口一億人突破

・京葉道路全線開通

・ビートルズ来日

・伊藤園設立

・トヨタがカローラを発表

1968年
AMF時代の到来

タンクのロゴ部分に「AMF」の文字が刻まれることにアメリカの大手機械メーカーAMF(アメリカンマシンファンダリー社)と業務提携を結び、AMFの一部門となることに。以降、「AMFハーレーダビッドソン」と名を改めたハーレーは、車輌ロゴにも「AMF」の文字が付け加えられることになった。
 

タンクのロゴ部分に「AMF」の文字が刻まれることに

・霞が関ビル完成(東京都千代田区)

・ロバート・F・ケネディ暗殺

・「週刊少年ジャンプ」創刊

・道路交通法改正(違反点数制度導入)

・メキシコオリンピック開幕

・和田アキ子が歌手デビュー

1969年
伝説の名作『イージー・ライダー』封切り!

今もハーレー乗りのバイブル的映画である、ピーター・フォンダ主演『イージー・ライダー』がこの年に登場。ハーレーに乗った自由な男たちがアメリカを横断していく姿は、多くの若者の心をつかんだ。これを機に、日本でもチョッパー・カスタムが広く知れていった。

【左】ハーレーミュージアムに展示されているキャプテン・アメリカ号【右】映画『イージー・ライダー』の一幕

【左】ハーレーミュージアムに展示されているキャプテン・アメリカ号
【右】映画『イージー・ライダー』の一幕

・『8時だョ!全員集合』『クイズタイムショック』『サザエさん』放送開始

・東大安田講堂攻防戦

・西名阪自動車道が全線開通

・サンテレビジョン開局

・東名高速道路が全線開通

・新東京(成田)国際空港建設開始

1971年
スポーツ性を高めたビッグツイン「FX」

ビッグツインでもスポーツ走行が楽しめるモデルをと、FLのフレームにスポーツスターXLのサスペンションを組み合わせた新しいスタイル「FX スーパーグライド」を発表。現代のダイナ・ファミリーに通ずるモデルで、当時の人々にとって斬新なスタイルだったことから、現在のFXCWロッカーやFLSTSBクロスボーンズに用いられる「ファクトリーカスタム」にカテゴライズされた。特徴的なのが「ボートテイル」と呼ばれるリアフェンダー(画像参照)で、XLHから流用したスポーツスタイルだった。

 

スタイリッシュなFX スーパーグライド

スタイリッシュなFX スーパーグライド

・『仮面ライダー』『天才バカボン』『ルパン三世』放映開始

・アスワンハイダムの公式開通

・アポロ14号、月に着陸

・第48代横綱・大鵬が引退表明

・マクドナルド日本第1号店オープン

・ニクソン・ショック

・NHKが全放送カラー化

1977年
不朽の名車「ローライダー」生まれる

この年、車輌デザインを手がけていたウィリー・Gがさまざまなスタイルのハーレーを生み出した。ハーレー初のカフェレーサーモデルXLCRは、現代でも根強いファンがいるほど。そして後世に伝わるモデル「FXS ローライダー」が誕生。発売と同時に大きな人気を誇り、ハーレーの歴史のなかでも群を抜いたロングセラーモデルとして現代に受け継がれている。

【左】歴代ハーレーで唯一のカフェレーサー XLCR【右】現代までその名が受け継がれているFXS ローライダー

【左】歴代ハーレーで唯一のカフェレーサー XLCR
【右】現代までその名が受け継がれているFXS ローライダー

・SF映画『スター・ウォーズ』公開

・『アメリカ横断ウルトラクイズ』『宇宙戦艦ヤマト』放映開始

・アップルコンピュータからパーソナルコンピュータ「Apple II」発売

・大学入試センターが発足

・巨人の王貞治選手がホームラン世界新記録の756号を達成

・国民栄誉賞創設(第1回受賞者は王貞治)

1980年
聖地の名を冠したスタージス

FXBスタージスベルトドライブを装着した最初のモデルがこの「スタージス」だ。チェーン部分から発せられるノイズが減少し、整備性が大幅に向上した。何よりハーレー乗りの聖地として知られる地名が付けられていることから、車輌に対する期待感がうかがえる。
 

FXBスタージス

・もんた&ブラザーズ 『ダンシング・オールナイト』、クリスタルキング『大都会』、久保田早紀 『異邦人』などの歌謡曲がヒット

・任天堂、初の携帯ゲーム機発売

・黒澤明監督作品「影武者」がカンヌ映画祭グランプリ受賞

・巨人の王貞治選手が現役引退

・ジョン・レノン銃殺事件

1981年
ハーレー再独立、AMFから脱却

1970年代後期、AMFのハーレーに対する意欲の薄さが如実に現れるようになり、それが品質の低下を招いてユーザー離れを引き起こすことに。危機感を抱いたハーレーの役員13人がAMFから株を買い戻し、再び独立することに。

・寺尾聰『ルビーの指環』、近藤真彦『ギンギラギンにさりげなく』、薬師丸ひろ子『セーラー服と機関銃』などの歌謡曲がヒット

・スペースシャトルが初打ち上げ

・ダイアナ妃、チャールズ王子と結婚