VIRGIN HARLEY |  「スーパーグライド」が復活! 55年目に蘇る星条旗の系譜と物語トピックス

「スーパーグライド」が復活! 55年目に蘇る星条旗の系譜と物語

  • 掲載日/ 2026年08月24日【トピックス】
  • 写真・ 文/小松 男
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米ハーレーダビッドソンが、アメリカ建国250周年を祝う限定モデルとして「スーパーグライド」を復活させた。1971年、ウィリー・G・デイビッドソン氏が手掛けた初代FXスーパーグライドから55年。当時の意匠をそのまま纏った一台は、前稿のデッドウッドに続くミッドイヤー投入の主役であり、その物語性は折り紙付きだ。世界限定2,500台という希少性も、この一台の説得力を後押ししている。

ファクトリーカスタムの原点、55年目の里帰り

1971年に登場した初代FXスーパーグライドは、当時のツーリングモデルFLの車体に、軽快なスポーツスターXLのフロントフォークを組み合わせた、ハーレーダビッドソン初の「ファクトリーカスタム」だった。

デザインを手掛けたのは、1963年に同社入りしたばかりの若きウィリー・G・デイビッドソン氏。ロサンゼルスの路上を走るホームビルドのカスタムバイクから着想を得たというその一台は、FLとXLという二系統しかなかったラインアップに、新たな「FX」というカテゴリーを切り拓いた記念碑的モデルとなった。

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2026年型は、このオリジナルが纏っていたホワイト・オニキス・パールの車体に、レッド&ブルーのストライプ、そしてストレッチされたバー&シールドのタンクグラフィックまで、当時の意匠を忠実に再現している。

1971年型の象徴であったボートテイルフェンダーこそ現代的なアレンジに置き換えられているが、それ以外のディテールは驚くほど当時に忠実だ。なお、スーパーグライドの名を冠したアニバーサリーモデルは、35周年にあたる2006年にダイナ・シャシーで一度復活しており、今回はそれに続く2度目の里帰りとなる。

ローンチにあわせて公開された動画には、オリジナル世代のライダーとその子や孫の世代が並んで登場し、一台のバイクが受け継がれていく様子が描かれている。

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ソフテイルの昔と今をつなげる、クロームの塊

ソフテイル系のシャシーをベースとしており、スペック面ではストリートボブと共通点が多い。ミルウォーキーエイト117クラシック(1,923cc、120lb-ft/98hp)、49mmデュアルベンディングバルブフォーク、フロント300mm/リア292mmのシングルディスクブレーキなど、足回りやパワーユニットは兄弟車と同一だ。

その上で、スポークデザインのホイール(チューブレス)、1インチ大径化されたタンクマウントのダッシュボード、1.5ガロン増量された5ガロンのティアドロップタンク、そして往年のブラックペイントに代わる潤沢なクロームパーツが与えられ、まとった空気感はまるで別物に変わっている。

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パワートレインのトリムやカバー、エアクリーナーカバー、マフラー、サイドカバー、リアフェンダーステー、ウインカーとヘッドランプまでもがブリリアントクロームで仕上げられ、ロード/スポーツ/レインのライドモードや、コーナリング対応のABS・TCS・DSCS、タイヤ空気圧監視といった最新の電子制御も抜かりない。

5.75インチのLEDヘッドランプや、左フロント下部に備わるUSB-C充電ポートなど、快適装備も現行モデルらしく抜かりがない。ミッドイヤーモデルながら、ハーレーダビッドソンが「見せる一台」として本気で作り込んだことが伝わってくる仕上がりだ。

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アメリカ建国250周年という、またとない物語

生産台数は世界限定2,500台。米国・カナダのディーラーのみでの取り扱いとなり、価格は15,999ドル(ベースグレード、当地税別)に設定されている。ベースとなるストリートボブとの価格差はわずか1,000ドル程度で、この特別な一台としてのプレミアムはむしろ良心的ですらある。この希少性と価格設定は、単なる懐古趣味の商品ではなく、アメリカ建国250周年というナショナルな祝祭に寄り添う、記念碑的な一台としての位置付けを裏付けている。

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1971年という時代背景、そして55年という時間の重み。タンク脇のコンソールには、1台1台にシリアルナンバーが刻まれ、所有する満足感をさらに高めている。同時期には、ストリートグライドやロードグライドなど4車種で構成される「リバティ・エディション」も展開されており、建国250周年を軸としたコレクション全体の一角として、スーパーグライドは位置付けられている。

デッドウッドが体現していた「削ぎ落としの美学」とはまた違う文脈で、スーパーグライドは「アメリカそのもの」を語る一台として仕立てられている。この物語性の強さこそが、今回のミッドイヤー展開における最大の武器と言っていいだろう。

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日本導入という、次の物語への期待

米国・カナダ限定という条件は、正直なところ日本のハーレーファンにとってはもどかしい。導入が確約されていない一台をこうしてトピックスで取り上げることに、疑問の声もあるかもしれない。それでも、あえて紹介したいと思わせるだけの素材の強さが、このスーパーグライドにはある。

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1971年のオリジナルを知る世代にも、その存在を初めて知る世代にも刺さる普遍的な魅力を備えた一台だ。であればこそ、ハーレーダビッドソンジャパンには、このスーパーグライドを日本のショーウィンドウに並べる努力と、その結果を期待したい。

限定2,500台という数の制約はあるにせよ、建国250周年という物語を国境の外にいる日本のファンにも届けることは、ブランドへの熱量をさらに高める機会にもなるはずだ。デッドウッドとスーパーグライド、この2台がミッドイヤーで示した「バック・トゥ・ザ・ブリックス」戦略が、太平洋を越えて日本のファンのもとにも届く日を楽しみに待ちたい。

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