VIRGIN HARLEY |  【ハーレーダビッドソン 新型CVO ストリートグライドST 試乗記】オーバー・ザ・トップ!己を超えるのは己自身であることを証明!!試乗インプレ

【ハーレーダビッドソン 新型CVO ストリートグライドST 試乗記】オーバー・ザ・トップ!己を超えるのは己自身であることを証明!!

  • 掲載日/ 2026年03月13日【試乗インプレ】
  • 取材協力・写真/HARLEY-DAVIDSON 取材・写真・文/小松 男
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HARLEY-DAVIDSON FLHXSTSE CVO STREET GLIDE ST(2026)
バガーレースに参戦するワークスマシンにインスパイアされた、2026モデルのニューCVOストリートグライドST。究極と呼ばれるメーカーカスタムであるCVO(カスタム・ビークル・オペレーションズ)の魅力は、スタイリングだけではなく走りの本質にこそある。

熟練工により一台ずつ丁寧に
組み上げられる究極の一台

2月後半、ハーレーダビッドソンから2026年モデルのラインアップが発表された。今回日本市場に導入されるのは合計19モデル。クルーザー、ツーリング、アドベンチャーなど多彩なカテゴリーが並ぶ中で、ひときわ強い存在感を放っていたのが、今回試乗インプレッションをお届けする「CVOストリートグライドST」である。

CVOとは“Custom Vehicle Operations”の略称。ハーレーダビッドソンの中でも、熟練した職人たちの手によって一台ずつ丹念に組み上げられるファクトリーカスタムモデルを指す特別なシリーズだ。塗装は量産モデルとは一線を画す手間のかかった仕上げが施され、エンジンには専用チューニングが与えられ、さらにサスペンションやブレーキ、細部のパーツに至るまで徹底的に磨き込まれている。つまりCVOは、メーカー自らが“これ以上ない完成度”を目指して仕立てた究極仕様と言っていい。

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その完成度は、走り出してすぐに体感できるレベルだ。ベースモデルが優れていることはもちろんだが、CVOはそこからさらにパフォーマンスと質感を押し上げており、わずかな距離を走らせただけでも、通常モデルとの違いが明確に伝わってくる。

そして今回のCVOストリートグライドSTには、さらに特別な背景がある。それが、アメリカで人気を博しているバガーレース「King Of Baggers(キング・オブ・バガーズ)」との強い結び付きだ。このレースは巨大なフェアリングとサドルバッグを備えたツーリングモデルで争われる異色のカテゴリーであり、近年その人気は急速に高まっている。

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ハーレーダビッドソンはこのシリーズにワークス体制で参戦し、2025シーズンには見事シリーズチャンピオンを獲得。そのレーシングマシンからインスピレーションを受けて誕生したのが、このCVOストリートグライドSTなのである。

つまりこのモデルは、単なる豪華仕様のツーリングモデルではない。レースの最前線で磨き上げられたパフォーマンスと、CVOならではの贅沢な仕立てを融合させた、まさに“究極かつ最強”のハーレーダビッドソン・レーサーレプリカと言えるものなのである。

FLHXSTSE CVO ストリートグライドSTの特徴

パフォーマンスもさることながら、
600万円近く、価格もド級だ

搭載されるエンジンは、Milwaukee‑Eight 121 H.O.(ミルウォーキーエイト121ハイアウトプット)。CVOストリートグライドSTのために用意された高出力仕様のパワーユニットであり、ハーレーダビッドソンのビッグツインの中でも最もスポーティなキャラクターを与えられた存在だ。排気量1977ccという圧倒的なスケールに加え、専用チューニングによって鋭いスロットルレスポンスと強烈なトルク特性を実現。巨大なツーリングモデルの車体を軽々と押し出すだけでなく、スポーツバイクのような加速フィールすら感じさせるポテンシャルを秘めている。

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このパフォーマンス志向は、マシン全体の構成にも色濃く反映されている。特に象徴的なのが、レースシーンを意識した軽量パーツの数々だ。フェアリングや各部に採用されたカーボン素材のパーツは、単なるドレスアップではなく、車体の軽量化と剛性バランスの最適化を狙った本格的なもの。ツーリングモデルでありながら、スポーツマシンの文脈で語れる仕立てとなっている。

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もちろん、こうした究極仕様には相応の対価も必要となる。日本での税込価格は581万200円という、まさに超ド級の設定。しかし、その金額を目にした瞬間に「高い」と感じるか、「この内容なら当然」と感じるかは、実車を前にした時に変わるはずだ。圧倒的な存在感、レーシングスピリットを宿したディテール、そしてCVOならではの完成度。そのすべてが、このモデルを特別な存在に押し上げている。

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では実際に走らせると、この“最強バガー”はどのような表情を見せるのだろうか。キング・オブ・バガーズ直系とも言えるパフォーマンスを秘めた一台の実力を、これからじっくりと確かめていきたい。

FLHXSTSE CVO ストリートグライドSTの試乗インプレッション

『勝つための扱いやすさ』
それがストリートでも多分に効く

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先だって開催されたハーレーダビッドソン2026年モデルラインアップ発表会において、「これは美しく、そしてカッコいい」と、イベントに参加していたメディア関係者が口をそろえて漏らしていたCVOストリートグライドST。
そのマシンが、いま走れる状態で目の前にある。

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しかもODOメーターを確認すると、まだ7kmを指したばかり。
つまり、このCVOストリートグライドSTを日本の公道で最初に走らせることができるのは私なのである。そう思うだけで、気持ちが高揚せずにはいられなかった。

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シートにまたがり車体を起こすと、その瞬間に想像していた以上の“軽さ”が伝わってきた。
もちろんフルサイズのバガーモデルである。これを読まれている方も「そんなに軽いわけはないのではないか」と思われることだろう。

実際、スペックシート上でもCVOストリートグライドSTの車重は370kg。
これは通常のストリートグライドよりも2kg多い数値だ。それなのに、軽く感じられる……。

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その大きなポイントとなっているのがハンドルである。

特別な形状がもたらされたハンドルは、そのセット位置が絶妙で、軽い力でハンドル操作が可能だ。
これは走り出してからも効いてくる。

ストリートグライドのアイデンティティであるバットウイングフェアリングはハンドルマウントのため、操縦感には独特の重さがあるものだが、それがかなり軽減されている。
左右への切り返しも軽快で、大柄なバガーモデルであることを忘れてしまうほどだ。

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各部に熱が入り、マシンが温まってきたことを確認しながら、徐々にペースを上げていく。

排気量1977ccのVツインエンジンは、最大トルク193Nmをわずか3750回転で発生。
もはや200Nm目前ともいえる圧倒的なトルクだ。

4パターン用意されたライディングモードのうち、標準的な設定であるロードモードでも十分に力強いが、スポーツモードに切り替えると、豹変したかのようにさらに強烈な加速感が得られる。

しかしそれは、スロットルワークに対して唐突に反応するものではない。
右手の操作に従順に応えるフィーリングだからこそ、実に気持ちがいい。

もちろんこれは、ハーレーダビッドソンの電子制御システムであるRDRS(Reflex Defensive Rider Systems)が連動しているためだ。 トラクションコントロールやコーナリングABS、エンジンブレーキ制御などが統合的に機能し、車体の挙動を最適化している。

サスペンションのセッティングも秀逸だ。
ブレーキングや加速ではスッと沈み込み、奥でしっかりと粘る。

だからこそ、これほどの体躯を持つマシンでありながら、Uターンから高速コーナーまで、まるで手足のように扱えてしまうのである。

スポーティでダイナミックなライディングプレジャーを備えながら、スムーズで快適。
これぞ究極のハーレーダビッドソンと呼べる仕上がりだ。

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ひとしきり試乗テストを終えたあと、以前レーシングモデルの開発者から聞いた「扱いやすくなければレースでは勝てない」という言葉を思い出した。

CVOストリートグライドSTには、その言葉どおりの思想が色濃く感じられる。

30年以上前にバイクの免許を取得した際、レーサーレプリカからバイク人生をスタートさせた私にとって、メーカーのフラッグシップモデルとはレーサーレプリカのことだった。
しかし今、King of the Baggersでの活躍を背景に、ハーレーダビッドソンもまた、CVOシリーズという最高峰のラインに、最強のレーサーレプリカともいえるCVOストリートグライドSTを並べてきたのである。

価格は決して安くはない。それでも、その金額以上に所有欲を満たしてくれ、さらにそれに見合う価値を持つ。

限られた人のみが手にすることを許されたCVOストリートグライドST。
これはまさに、贅沢の極みといえる一台である。

FLHXSTSE CVO ストリートグライドSTの詳細写真

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排気量1977ccのMilwaukee‑Eight 121 High Outputを搭載。最高出力126hp、最大トルク193Nmを発生するハイパフォーマンス仕様で、ビッグツインらしい重厚な鼓動と圧倒的なトルクを両立。CVOストリートグライドSTのスポーティなキャラクターを支える心臓部である。

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倒立式47mmフロントフォークを採用。ブレーキにはBrembo製ラジアルマウントキャリパーと大径ダブルディスクを装備し、重量級ツーリングモデルでありながらスポーツライディングに対応する高い制動力と剛性を確保している。

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スペシャルペイントでまとめられた迫力あるバットウイングフェアリング。LEDヘッドライトとターンシグナルがシャープな表情を作り出す。さらにCVOストリートグライドSTでは、クリアレッドカラーのスクリーンを採用。スポーティかつスペシャルな雰囲気を強く印象付ける特徴的なディテールとなっている。

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ダッシュ中央には大型の12.3インチTFTディスプレイを装備。高精細で視認性に優れ、ナビゲーションや車両情報、ライディングモードなどを直感的に操作できる先進的なインターフェースとなっている。ディスプレイ下部には小物入れも設けられ、実用性の高さも配慮している。

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フェアリング左右には高音質オーディオブランドRockford Fosgate製スピーカーを装備。高出力アンプと組み合わせたプレミアムオーディオシステムにより、走行風の中でもクリアで迫力あるサウンドを楽しめる。ツーリングモデルらしく、長距離ライディングをより豊かな時間に変えてくれる装備だ。

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スポーティな印象を持つ特別仕様のハンドルバーを採用。セット位置が絶妙に調整されており、重量級バガーモデルでありながら軽い力でハンドル操作が行える。ハンドルマウント式のバットウイングフェアリングによる独特の操舵感も軽減され、スポーティで軽快なハンドリングを実現している。

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スポーティな専用シートに加え、リアにはフォージドカーボン製シートカバーを装備。ランダムな繊維模様が特徴のカーボン素材は軽量かつ高剛性で、レーシングマシンを思わせる特別な質感を演出している。

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ワイドなフットボードとつま先操作タイプのシフトチェンジレバーを採用。レーサー直系のCVOストリートグライドSTでありながら、足元のポジションはあくまでストリートでの実用性を重視した設定。長距離ツーリングでも快適なライディングポジションを確保している。

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高性能リアショックは外部リザーバータンクを備えたプレミアム仕様。長いストロークと優れた減衰特性により、重量級ツーリングモデルでありながらスポーティな走行にも対応する安定感を確保している。路面からの入力をしなやかに受け止めつつ、コーナリングではしっかりと車体を支える重要なパートだ。

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バガーモデルの象徴ともいえる左右のサドルバッグは、大容量の収納スペースを確保。開口部が大きく荷物の出し入れもしやすく、ツーリングでの実用性を高めている。ワンタッチで開閉できる機構も備え、ロングツーリングを快適にサポートするハーレーダビッドソンらしい装備だ。

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大容量のサドルバッグが左右に張り出す迫力あるリアビューは、バガーモデルならではの個性。その下には左右2本出しのマフラーが配され、ツーリングモデルらしい重厚感とスポーティな雰囲気を両立している。機能性とデザイン性を兼ね備えた、CVOストリートグライドSTを象徴する後ろ姿だ。

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