VIRGIN HARLEY |  【ハーレーダビッドソン 2026モデル RA1250L パンアメリカ1250リミテッド 試乗記】“旅”を“冒険”へと変えるタフギアがここに完成!試乗インプレ

【ハーレーダビッドソン 2026モデル RA1250L パンアメリカ1250リミテッド 試乗記】“旅”を“冒険”へと変えるタフギアがここに完成!

  • 掲載日/ 2026年05月13日【試乗インプレ】
  • 取材協力・写真/HARLEY-DAVIDSON 取材・写真・文/小松 男
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HARLEY-DAVIDSON RA1250L PAN AMERICA 1250 LIMITED(2026)
地球上のどのような場所であってもたどり着くことを可能とするためハーレーダビッドソンがこの世に送り出した、同社初となるビッグアドベンチャーモデル、パンアメリカ。2026年シーズンのモデルラインアップにおいては、フルケース仕様とすることで、タフギア感を高めたパンアメリカ1250リミテッドが新登場した。

後追いの恰好ではあったが、
その分、先に進んだパッケージング

ハーレーダビッドソン史上初となる本格ビッグアドベンチャーモデルとして、「パンアメリカ1250」が世界初公開されたのは2021年。クルーザーやツアラーのイメージが強かったハーレーダビッドソンが、本格的なアドベンチャーカテゴリーへ参入するというニュースは、世界中のライダーに大きなインパクトを与えた。中でも注目を集めたのが、その独創的なスタイリングだ。一般的なアドベンチャーモデルとは一線を画す水平基調のフロントマスクや、機能性を重視した無骨なシルエットは、“いかにもハーレーらしい個性”を強く打ち出していた。

その象徴とも言えるのが、「アダプティブライドハイト(ARH)」だ。これは車両停止時や極低速時に電子制御によってサスペンション高を自動的に下げ、発進すると通常車高へ復帰するという画期的なシステム。アドベンチャーモデルの弱点でもある“足つき性”への不安を大きく軽減し、多くのライダーから高い評価を獲得した。しかも登場当時、この機構を量産車へ本格採用したメーカーは極めて少なく、現在では一部ライバルメーカーも類似機構を採用し始めていることからも、パンアメリカが業界に与えた影響の大きさがうかがえる。

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さらに、最高出力150HPを発揮する水冷Vツイン「Revolution Max 1250」エンジンを搭載。高回転までシャープに吹け上がるスポーティな特性を持ちながら、長距離ツーリングやダート走行にも対応する柔軟性を併せ持っていた。加えて、IMUを活用した各種電子制御、コーナリング対応ABS&トラクションコントロール、多彩なライディングモードなど、当時のハーレーダビッドソンとしては異例とも言えるほど先進装備が盛り込まれていたのも特徴だ。

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単なる“ハーレー流アドベンチャー”ではなく、世界市場で本気で戦うために開発された一台――。パンアメリカ1250は、アメリカが世界に誇るプレミアムモーターサイクルブランド、ハーレーダビッドソンの新時代を象徴するモデルとして鮮烈なデビューを飾ったのである。

RA1250L パンアメリカ1250リミテッドの特徴

平均要素が求められる
アドベンチャーモデル

ここで、あらためてアドベンチャーモデルに求められる資質とは何かを整理しておきたい。

例えばサーキットトラックでコンマ1秒を削るスーパーバイクであれば、空力性能に優れたフェアリングやウイングレット、最大バンク角を意識したステップ位置、前傾の強いライディングポジション、そして高いグリップ性能を持つハイグリップタイヤなどが基本骨格となる。

一方、オフロード競技モデルではその真逆の思想が支配的だ。走破性を重視した大径かつ細身のフロントホイール、長大なサスペンションストローク、スタンディングでのコントロールを前提としたハンドル・ステップ位置など、「路面状況への追従性」が最優先となる。

ツアラーに目を向ければ、長距離移動を快適にこなすためのアップライトなライディングポジション、大容量燃料タンク、ウインドプロテクション、そして積載性といった“移動の総合力”が求められる。

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こうした異なる方向性の要素を俯瞰すると、アドベンチャーモデルというジャンルは、それらを極端に特化させるのではなく、オンロードとオフロード、快適性と走破性、積載性と運動性能を高次元でバランスさせたカテゴリーだと整理できる。

長距離を快適に走り、未舗装路にも踏み込み、旅そのものを“冒険へと拡張する”。それこそがアドベンチャーモデルの本質だといえるのだ。

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ただし、その中で全てのメーカーが同じ解答を目指しているわけではない。

このセグメントを切り拓いたBMWのGSシリーズは、今なお王者としての立ち位置を確立している。一方でドゥカティ・ムルティストラーダは、スーパースポーツ的な味付けを強めた“ハイパフォーマンスツアラー寄り”の方向性を持つ。KTMのアドベンチャーシリーズは、ラリー由来のシャシー設計を背景に、よりオフロード志向の強いアグレッシブなキャラクターを持つ。トライアンフ・タイガーは、しなやかな乗り味と扱いやすさを軸にしながらも、モデルによってはスポーティな一面も見せる英国流のバランス型といえる。

その上で、ハーレーダビッドソンのアドベンチャーモデル「パンアメリカ1250」の立ち位置を整理すると、従来の同社が培ってきた長距離ツーリング性能やプレミアムブランドとしての質感をベースにしながら、アドベンチャーセグメント特有の“走破性と扱いやすさ”を取り入れた構成となっている。

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さらに特筆すべきは、電子制御サスペンションと連動するアダプティブライドハイト(ARH)によって、アドベンチャーモデル最大の課題のひとつである足つき性にアプローチしている点だ。これにより、高い車体剛性や最低地上高を維持しながらも、停車時の安心感を確保している。

そこから見えてくるのは、単なる“ハーレー版アドベンチャー”ではなく、アメリカ的なプレミアム性と実用性を融合させた万能型アドベンチャーというポジションだろう。

それでは、ケースを装着することでさらにタフギア感が強調され、新たにラインアップに加わった「パンアメリカ1250リミテッド」の実力とその変化を確かめていこう。

RA1250L パンアメリカ1250リミテッドの試乗インプレッション

ハーレーダビッドソンの中で
ひとつの主流となる素質

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ストリートグライドやロードグライドのリミテッドなど、フルドレス仕様のグランド・アメリカン・ツーリングシリーズを乗り継いでいるライダーにとってはやや別世界に映るかもしれないが、多くのライダーはパンアメリカ1250リミテッドを目の前にした瞬間、その車格とプロポーションに一瞬たじろぐはずだ。

高い車高とボリュームから生まれる圧倒的な存在感は、アドベンチャーモデルの魅力そのものである一方で、乗り手を選ぶ“心理的ハードル”にもなり得る。その意味で、フルケースを標準装備することで完成度を高めたパンアメリカ1250リミテッドは、視覚的な存在感がさらに強調されている。

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しかし、ここで評価を一段引き上げるのがアダプティブライドハイト(ARH)の存在だ。停車時や低速域では自動的に車高を下げ、発進とともに通常走行時の車高へ復帰するこの機構により、見た目の印象とは裏腹に、実際の足つきは想像以上にフレンドリーとなる。

そしてエンジンを切っている状態では車体が低く保たれるため、取り回し時の安心感も高い。サイズ感から敬遠してしまうライダーにこそ、一度実車に触れてみてほしいモデルであり、その印象は確実に変わるはずだ。

水冷Vツイン「Revolution Max 1250」エンジンを始動し走り出すと、ライダーが意識することなくサスペンションは伸長し、フルストロークを積極的に活用できる状態へと移行する。逆に停止時には即座に車高を下げ、自然に足つき性を確保する。この一連の制御の滑らかさは、アダプティブライドハイト機構を早期から採用してきたモデルならではの完成度だ。

VVT(可変バルブタイミング)を備え、最高出力150馬力を発揮するRevolution Max 1250エンジンは、スポーツスターSでは高回転域で鋭さが際立つスポーティなキャラクターを持っていたが、パンアメリカ1250、特にフルケースを装備し重量が増したリミテッドでは、よりスムーズで扱いやすく、それでいて力強さを失わないセッティングへと振られている印象を受ける。

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ハンドリングも非常に上質だ。ブレーキング時にはフロントフォークが素直にストロークし、旋回初期のライン作りが自然に決まる。コーナー脱出時にはリアサスペンションがしっかりと粘り、路面に対して確実にトラクションを伝えていく。

ライディングポジション、電子制御サスペンション、そしてシャシーバランスの総合的なチューニングによって成立しているコーナリング性能は、走り込むほどにクセになるタイプのダイナミズムを持つ。

試乗条件では未舗装路に入る時間は限られていたものの、それでも「通常のツーリングレベルのダートであれば十分にこなせる」という確信を得るには十分だった。

今回のリミテッドで特徴的なのが、SW-MOTECHと共同開発されたアルミケースだ。車体デザインと高い統一感を持たせつつ、大容量かつ実用性にも優れ、日常のツーリングユースでも扱いやすい仕上がりとなっている。

さらに、グリップヒーターやアップ/ダウン両対応のクイックシフターなど、快適なロングツーリングを支える装備も充実している点は見逃せない。

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実は知人にもパンアメリカ1250のオーナーが複数おり、その多くが非常に高い満足度で乗り続けている。それだけに、個人的にもこのモデルにはとりわけ強い関心を持っている。

その上で試乗した今回のパンアメリカ1250リミテッドは、初期型と比べてエンジン特性やシャシーマネジメントがより洗練され、加えてフルケース装備による“旅バイクとしての完成度”が一段引き上げられている印象を受けた。

一方で、よりオンロード志向の強いパンアメリカ1250 STも依然として魅力的な存在である。特にアメリカで話題となっているスーパーフーリガン系レース「Mission King of the Bagger」などの舞台でも、パンアメリカ系のポテンシャルは一定の評価を得ている。

それらのことから考えると、クルーザーやグランド・アメリカン・ツーリングのイメージが強いハーレーダビッドソンにおいて、パンアメリカ1250は確実に“もう一つの主流”として定着しつつあるモデルなのである。

RA1250L パンアメリカ1250リミテッドの詳細写真

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水冷Vツイン「Revolution Max 1250」エンジンを搭載。DOHC4バルブ構成に加え、可変バルブタイミング(VVT)を採用し、最高出力150hp(約112kW)を発揮する高性能ユニット。エンジンガードやアンダーガードなどのプロテクション系パーツを標準装備。

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フロントには倒立フォークを採用し、ブレーキはラジアルマウントのブレンボ製モノブロックキャリパーを装備。ホイールは19インチのクロススポーク仕様(チューブレス構造)で、タイヤはオン/オフ双方に対応するアドベンチャー専用セッティング。高い剛性と路面追従性を両立し、安定したブレーキングと正確なコントロール性を実現している。

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リアにはアルミ製スイングアームとモノショック構成を採用し、プリロード調整を含むセッティングが可能。ホイールは17インチのクロススポーク仕様で、フロント同様チューブレス構造を採用。リアタイヤはワイドサイズを採用し、高速安定性とトラクション性能を両立。オンロード巡航からダート走行まで幅広いシーンに対応する設計となっている。

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水平基調を強調した独自デザインのフロントマスクを採用。デュアルLED構成のヘッドライトユニットにより、機能性と存在感を両立させている。追加の補助灯を標準装備し、夜間走行時の視認性を向上。

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フロントスクリーンは手動調整式を採用し、ライディングシーンに応じて高さを変更可能。高速巡航時のウインドプロテクションからオフロード走行時の視界確保まで、幅広い用途に対応する実用的な構造となっている。

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大型TFTフルカラー液晶ディスプレイを採用。速度・回転数・ギアポジション・ライディングモードなどの基本情報に加え、ナビゲーションや車両設定なども統合表示可能。視認性と情報量を両立したインターフェースとなっている。

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左側スイッチボックスには、クルーズコントロール操作、ターンシグナル、メニュー操作系スイッチを集約。直感的な操作系レイアウトにより、走行中でも視線移動を最小限に抑えたコントロール性を実現している。

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右側スイッチボックスには、エンジン始動スイッチおよびライディングモード選択系の操作系を配置。グリップヒーター機能も備わっており、長距離ツーリング時の快適性向上に寄与する設計となっている。

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燃料タンク容量は約21.2Lを確保。長距離ツーリングを想定した航続距離性能を備えると同時に、アドベンチャーモデルらしい大柄なプロポーションを形成する重要なデザイン要素となっている。表面グラフィックはモデルごとに異なる仕上げが施され、Limitedではツーリング志向を意識した落ち着いたデザインが採用されている。

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シート高はアドベンチャーモデルとして高めの設定ながら、アダプティブライドハイト(ARH)との組み合わせにより、停車時には自動的に車高を下げ足つき性を確保する仕組みを持つ。シート形状は前後分割構成で、長距離走行時の快適性とライディングポジションの自由度を両立している。

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左側ステップはワイドな踏面を持つ設計で、スタンディング走行時の安定性とオンロード走行時のホールド性を両立。ペダル類はオフロード走行も想定したレイアウトとなっており、ライダーの荷重移動を自然に受け止めるポジションに配置されている。クイックシフターを標準装備。

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SW-MOTECHと共同開発されたアルミ製ケースを標準装備。サイドケースとトップケースを含む構成で、ツーリング時の積載性を大幅に向上させている。無骨なアルミパネル構造を採用しつつ、車体デザインと統一感のあるフィニッシュとすることで、純正装備としての完成度を確保。ロック機構を備え、着脱も考慮された実用性重視の設計となっている。

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