VIRGIN HARLEY |  FLHXSE CVO ストリートグライド試乗インプレ

2017年式 FLHXSEの画像
HARLEY-DAVIDSON FLHXSE(2017)

FLHXSE CVO ストリートグライド

こんな方にオススメ

エキスパートを唸らせる究極の1台は
アグレシッブな走りを好むライダーに

もちろん、ガレージにこんなゴージャスなハーレーがあればさぞかし鼻が高いだろう。しかし、CVOの真骨頂は走りにあり、眺めて磨き自慢するためのものでは決してない。特に軽快な走りが楽しめるCVOストリートグライドは、そうだ。フロント19インチのハンドリングは切り返しが軽く、ワインディングでの高い旋回性には目を見張る。

低重心で足着き性も比較的良く、乗り手の体格を選ばない。なによりも、ストリートを流せば注目の的となるカスタムトレンドをリードするスタイリングも魅力だ。

そして114キュービックインチにまで排気量が高められたエンジンはロングストローク設計が重視され、ボアだけでなくストロークも同時にミルウォーキーエイト107から伸ばされている。ボア×ストローク100×111,1mmの107に対し、114は102×114.3mmとなり、大らかなフィーリングはそのままに、モアトルクと鋭いスロットルレスポンスを獲得。このエンジンフィーリングは、107→114化の純正ボアアップキット(111.1mmのストロークをそのままにボアだけを拡大する)では決して手に入らない。

アグレシッブなライディングを好むライダーに乗っていただきたいし、そうしたエキスパートらを唸らせる究極の1台に仕上がっていると言えよう。

FLHXSE CVOの詳細写真

FLHXSE CVOの画像
高いウインドプロテクション効果を発揮するバットウイングフェアリングには、スッキリとしたスタイルを決定づけるショートスモークスクリーンをセット。カスタムパーツでも人気のあるDaymaker LEDヘッドライト、そしてLEDフロントターンシグナルを標準装備する。
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バットウイングフェアリングに設けられたスプリットストリームエアベントは最適な整流効果をもたらし、ライダー頭部への空気抵抗を大幅に軽減。高速クルージングやロングライドでの疲れを飛躍的に抑え、快適なツーリングが楽しめる。
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上質なペイントが施されたインナーフェアリングには、右からボルテージメーター、エンジン回転計、速度計、燃料ゲージを4連装備。中央には6.5インチタッチパネルディスプレイが配備され、ここで外気温や油温、空気圧などがチェックできるほか、オーディオなども操作できる。
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グリップやスイッチボックスに至るまで特別な装いとなっているのがCVO。ハンドコントロールは内照式で夜間時もしっかり見て分かる。インフォテインメントシステムの操作は6.5インチタッチパネルディスプレイのほか、スイッチボックスでも操れる。
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ツーリングファミリー全機種にも標準装備されるオートクルーズコントロールのスイッチは、ハンドル左のスイッチボックス最下段にあり、50km/h以上からセット可能。アクセルを開閉する右手の疲労を大幅に軽減でき、慣れてしまえば手放せない装備となる。
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エンジンは1,846ccもの排気量を持つツインクールド・ミルウォーキーエイト114。もっとも熱を持つ排気バルブまわりにウォーターラインを設け、ラジエターは足もとのロワーフェアリングに内蔵した。空冷エンジンならではの美しいフィンはそのままに、冷却効率を高めている。
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スクリーミンイーグル製のハイフローエアクリーナーで吸入効率をより向上。もちろんECMキャリブレーション済みで、新車時から114キュービックインチの大排気量を活かした怒濤のトルクを発揮する。また、悪天候時には付属のレインカバーがフィルターをしっかり保護する。
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1936年のナックルヘッド以来のOHVを踏襲した伝統あるV型2気筒エンジン。2→4バルブ化されたミルウォーキーエイトだが、プライマリーチェーンケースを持ち、ミッションを別体にするというオーソドックスな構造は何ら変わっていない。
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プライマリーチェンケースとカバーが薄くなり、足着き性を向上。またアシスト&スリッパークラッチと油圧マスターシリンダーも新型が採用され、クラッチレバーの操作フィールが軽くなっているのも嬉しいかぎり。ブラックグラナイト塗装のエンジンのなか、上質なクロームカバーが効果的に光沢を放っている。
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容量22.7Lの伝統的なフューエルタンク上部には、カスタムインサートをあしらった高級感漂うコンソールが備わる。キーレスイグニッションで利便性に優れることも特筆すべき点。休憩時のパーキング、再スタート時もじつにスピーディでスマートだ。
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ピストンスピードに比例したリニアな減衰力を発生させることが可能となったSHOWA製デュアルベンディングバルブ・フロントフォークを新採用。直進安定性やブレーキング時のダンピング性能が飛躍的に向上し、よりアグレシッブな走りを実現している。
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ベースモデルとなるストリートグライド同様、前後連動式ABSブレーキを搭載するが、CVO専用のブレンボ製キャリパーはストッピングパワーとタッチにより優れ、確かなコントロール性を発揮。いかなる路面状況でも、しっかりと車体を制動させることができる。
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ロングライドでも疲れ知らずな座り心地の良いレザー&カスタムステッチ・ロープロファイルシート。前後セパレート式なので、ソロシート仕様にすることも簡単。よりスッキリとしたテールセクションを演出することができる。
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サドルバッグラッチにもスピーカーが埋め込まれ、3ウェイフロントスピーカーとともに迫力あるサウンドが楽しめる。ダイナミックイコライザーも標準装備され、充実したサウンドシステムを構築。お気に入りの音楽に耳を傾けながら走ることができるのだ。
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こちらはキャンディーコバルト×インディゴインクの車体。ボディカラーを問わず、フットボードやブレーキペダル、シフターペグ、パッセンジャーフットペグは純正カスタムパーツで人気のある「エアフローコレクション」に惜しみなく換装されている。
試乗ライダー プロフィール
青木 タカオ
雑誌 Virgin Harley 編集長を務める傍ら、多くのバイク専門誌、一般誌、WEBメディアに寄稿するモーターサイクルジャーナリスト。10代の頃からモトクロスレースでライディングの基礎を学び、現在では競技用オフロードモデルから、サーキットでのロードスポーツモデルの試乗インプレッションまで手広く担当する。また、バイクの仕組みを解説する著書もある。
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