VIRGIN HARLEY | 第9回 プチ逃亡で気分一新、また頑張れる! ツーリング・ゼミナール 青木 タカオ

第9回 プチ逃亡で気分一新、また頑張れる!

  • 掲載日/2011年12月13日【ツーリング・ゼミナール 青木 タカオ】
  • 執筆/フリーライター 青木 タカオ

出版社が違うからチョット言いづらいけれど、ボクはツーリング雑誌で執筆させてもらっていて、その取材のため定期的にツーリングに行かせてもらっている。冬になると、やっぱりチョットつらかったりするわけだが、やっぱりオートバイでどこか遠くに行くというのは楽しいことで、それを仕事にさせてもらっているのは、たとえ撮影やアポに追われて仕事感120%であっても幸せなことだと思う。

だからプライベートのツーリングでは早起きもしないし、忙しなく観光地をたくさん巡るのはやめにしている。あてもないまま走って、ただ美味いものだけを食べて帰るとか、その時の気分を大切にしている。

青木タカオさんの写真

気が向いたときにあてもないまま走りに行く。これがイチバンの贅沢だと思う。

計画はない方がいいから、当然トモダチと前もって約束するのも難しい。ボクがいちばん贅沢だと思うのは、行き当たりばったりで1日を好き勝手に使うってこと。たとえば締め切り最後の夜に朝まで仕事をし続けて、肩の荷がすっかりおりたとき。もうなにもしなくていいという晴れやかな休日を迎えたときは寝るのが惜しくて、そのまま三浦や房総半島あたりの漁港へまっしぐら。漁協直営の食堂で新鮮な海の幸をいただいて、子どもが学校から帰る頃には帰宅する。なんて充実した1日なんだと、我ながらニンマリしてしまう。

そんな有意義な1日はなかなかあるものじゃなく、実際にオートバイでフラフラするときによくあるのは「チョット時間があるから走りに行っちゃえ」っていうパターン。たとえば取材の帰り、すぐパソコンに向かって原稿を書かないといけないのに、そのまま自宅あるいは出版社には戻らず、どこか違うところに行ってしまう。出版社に勤めていたときもバイク通勤していたが、その途中に出社するのがイヤになり、会社を行き過ぎてそのまま1時間だけ都内を走り回ったりしていたが、それと同じ感覚かもしれない。いずれにせよ、嫌なことからは逃げるという弱腰な考え方。

青木タカオさんの写真

行き先はどこでもいい。目的地は到着した瞬間に通過点に変わるのだから。

だけど、それがボクなのだ。小学生のときから嫌なことがあると、ひとりだけで遠くへ行きたくなった。すぐにビビって帰りたくなることは自分がいちばんよく知っているから、ボクは大人になった今でも定期的にプチ逃亡している。

海辺に腰掛けて沈む夕陽をノンビリ眺めたり、その土地の美味いものを食べたり、少しだけでいいから現実逃避すると気分がリフレッシュされ、また仕事に戻れる。オートバイに乗っていなかったら、そんなことはできなかったはずだから、愛車のハーレーFLHTCには感謝の気持ちで一杯だ。

青木タカオさんの写真

冬は夕焼けの美しい季節。少しだけ現実逃避したら、すぐに力が湧いてくる。

きっとオートバイという乗り物に出会っていなかったら、いま頃ボクは満員の通勤電車にウンザリし、毎日青白い顔をしていただろうと容易に想像がつく。そんな素晴らしきオートバイにせっかく乗っているんだから、ボクはこれからもどんどんプチ逃亡したいと思っている。

プロフィール
フリーライター
青木 タカオ

バイク雑誌各誌で執筆活動を続けるフリーランス。車両インプレッションはもちろん、社会ネタ、ユーザー取材、旅モノ、用品……と、幅広いジャンルの記事を手がける。モトクロスレースに現役で参戦し続けるハードな一面を持ちつつも、40年前のOHV ツインや超ド級ビッグクルーザー、さらにはイタリアンスクーターも所有する。

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