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FXDB ストリートボブの画像

FXDB Street Bob(2009)

ミニエイプハンドル採用の
カスタム色が濃いモデル

今回紹介するFXDBの話をする前に、ダイナファミリーについて少しおさらいをしてみよう。1960年代のビッグツインモデルには今のツーリングファミリーに当たるFLモデルしかなかった。しかし、ハーレーをベースにしたチョッパーなどのカスタムが隆盛になる中で、ハーレーもツアラー然としたモデルだけではなく、スポーツスターのフロント回りをFLモデルに移植した「FX1200スーパーグライド」を誕生させている。現在のダイナファミリーのルーツとなったのはこのモデルで、そこからショベルヘッド、エボリューションエンジンのFXRシリーズを経て、現在へと至った。現在では“ハーレーらしい伝統のスタイル”のように思われているダイナファミリーだが、過去を探ればメーカーが製作したカスタムモデルという位置づけもあったのだ。ここ数年、そういったカスタムDNAが色濃くなってきたのか、ダイナファミリーの動きが激しい。2005年モデルでクロームがきらびやかなFXDC、2006年モデルでFXDB、2008年にはデュアルヘッドライトが特徴的なFXDFが登場し、大いに注目を集めている。今回はその中からFXDBをチョイスし、その魅力を探ってみよう。

FXDB ストリートボブの特徴

FXDB ストリートボブの画像

2009年モデルで熟成された
FXDBのカスタムテイスト

FXDBが登場した2006年モデルは、ダイナファミリー全体に大きな仕様変更が加えられた年だった。ダイナファミリーのみ全モデルにインジェクションを採用、伝統的に装備されていたヘッドライトバイザーが取り外され、前年まではスポーツスターと同径だったフロントフォーク径が49mmと太くなっている。また、リアホイールが16→17インチ化、タイヤサイズも10mmワイドな160mmタイヤが装備されるなど、ファミリー全体に大きな変化が加えられた。ダイナファミリーの中でのFXDBの特徴はなんと言ってもエイプハンドルだろう。チョッパースタイルのワイドグライド(現行モデルではカタログ落ち)を除けば、ここまでゆったりとしたハンドルを装備したモデルはなく、他はスポーツライドに適したモノが採用されていた。エンジン腰下がブラックパウダーコート、シート下のカバー類もブラックアウトされたシックなカラーリングも個性的と言える。また、FXDLと並び、ファミリーで最も低い655㎜のシート高も見逃せないポイントだ。スポーツスターファミリーと比較しても、FXDBよりシート高が低いモデルはXL883Lしかない。ハンドルポジションがゆったりとしており、フットポジションは体に近いミッドコントロール、そしてシート高も低いとなると、体格に自信がない人でも安心して乗ることができるはずだ。

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と、ここまでが年式をまたいだFXDBの特徴。次に2009年モデルで仕様変更された部分に触れてみよう。好みが大きく分かれそうなポイントはエンジンカラーの変更だ。2008年モデルまでブラックパウダーコートされていたエンジン腰下部分が、2009年からはシルバーカラーとなっている。ブラックアウトされたエンジンを好んでFXDBをチョイスしていたユーザーからは評価が分かれるかもしれない。しかし、独自の個性的なパーツも採用されている点が2009年モデルならではの魅力と言える。FXDB以外にはソフテイルファミリーのFLSTSBにしか採用されていないカスタムテイスト溢れるブラックリムや、短くチョップされたリアフェンダー、クラシックテールライトなど、前年モデルよりさらにカスタム色が濃くなったと言えるだろう。さらに、新採用のチョップドストレートカットマフラーは従来のテーパードスタイルより、迫力のあるデザインで排気音の質も違う。登場当初からメーカーカスタムモデルのイメージがあったFXDBは、2009年モデルでさらにその度合いを増しているのだ。

FXDB ストリートボブの試乗インプレッション

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スタイル重視と思いきや
意外なほど素直な走りが楽しめる

スポーツスターに乗る私にとって、ダイナファミリーでの好みは車高の高いFXDやFXDCだ。そのため、実を言うとシート高が低く、カスタム色の強いFXDBの試乗には過度な期待はしていなかった。洗練されたスタイルは確かに魅力的なのだが、ダイナファミリーには多少の軽快感も期待してしまうのだ。しかし、丸1日試乗を行い、その印象は一変することになる。跨ってみての第一印象は、イメージ通りに足つきがよく、ハンドルの高さがほどよいため取り回し時にそれほど重さは感じないこと。ハンドルポジションは肩幅より少し低く、少しだけワイドといった感じで、狭い道が多い都心でもハンドル操作に気を遣うことはないだろう。エンジンを始動し、マフラーが奏で始める排気音はノーマルマフラーにしては元気なサウンドだ。以前、FXDFを試乗したときにも感じたが、FXDBのストレートカットや、FXDFのスラッシュカットの形状は歯切れのいい排気音を楽しむことができる。

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試乗前には「少し薄いかな」と思っていたシートも、なかなかの座り心地だ。リアサスペンションが短く、シートが薄いためお尻が痛くなるかと思ったが、日帰りツーリングなどでは問題のないレベルと言える。ただ、1点注意して欲しいのが、ソロシート仕様のためバッグなどでリアフェンダーを傷つけないようにすること。ハーレー定番のサドルバッグを装備したらどうかと考えたが、リア回りがスッキリしたデザインにサドルバッグは合わないかもしれない。ソロシート仕様のまま楽しみたいオーナーは、ロングツーリング時の積載について工夫が必要だろう。肝心の走りについては、期待以上のものだった。ハンドル、シート、フットポジションのバランスがよく、コーナーに入る際の不安感はない。曲がる先を見て、体重をかけてやるだけで素直に車体は曲がっていく。ビッグツインの中ではスポーツ寄りとされるダイナファミリーの特徴は、FXDBにもしっかりと受け継がれている。

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