「ソフテイル」とは「ソフトテイル」(優しい尾)の略称で、リアサスペンションという概念を持たなかったリジッドフレーム(ハードテイル/1957年までのH-Dビッグツインモデルのフレーム構造)と対をなす最新型フレームのことを言います。
そう、ソフテイルファミリーとは、1950年代までハーレーダビッドソンの骨格として活躍したリジッドフレームのスタイルを現代に再現したフレーム搭載モデルで、一見するとリアサスペンションがないように見えますが、実はフレーム下部に特殊なサスペンションが備わっているのです。「かつてのハーレーダビッドソンのスタイルを今に蘇らせよう」という声から開発された、まさにハーレーの想いを感じるファミリーだと言えるでしょう。
1984年にこのソフテイルフレームが誕生し、そこから往年の名車が続々と復刻していきました。なかでも代表格はヘリテイジ ソフテイル クラシックで、「遺産」の名にふさわしいスタイルを持つモデルとして四半世紀を超えるラインナップ歴を誇ります。
2016年にはエンジンがツインカム96Bからツインカム103Bへとバージョンアップし、さらにパワフルな走りが楽しめるモデル群へと進化したのです。
ソフテイルには2種類のスタイルがあります。前後16インチ(または17インチ)ホイール&油圧式フォークを備えた「FLモデル」と、21インチのフロントホイール&テレスコピックフォークというチョッパーライクな「FXモデル」です。ラインナップを見れば一目瞭然で、2017年モデルにおいてはFXモデルはブレイクアウトのみで、残りはすべてFLモデル。基本骨格とエンジンは同じながら、ここまで見せ方を変えられるのも、110年を超える歴史から生まれたノウハウがあってこそ。
ソフテイルに関しては、2016年からの変化はほとんどありません。あえて述べるとしたら、2017年限定のカスタムカラーが増えていることと、ブレイクアウトにセキュリティが搭載され、前後ホイールがタービンホイールに変更されたことでしょう。
2016年以前の中古車と見比べた場合、その走行距離次第では昨年モデルのお値打ち感は大きいことでしょう。ご購入を検討される際は、焦らずに中古車市場の同モデルとしっかり見比べることをオススメします。
2017年ソフテイルで唯一のFXチョッパー。ロー&ロングスタイルにドラッグバー、チョップドリアフェンダーに240mmワイドタイヤと、個性の塊のようなモデルのブレイクアウトはカスタムベースとしても人気が高い。
ボバースタイルを見事に再現したソフテイルファミリー中でもっとも軽量な一台。流麗なボディラインにスポークホイール、そしてノスタルジックなカラーバリエーションが古き良き時代のハーレーを彷彿させる。
「遺産」の名にふさわしい伝統のモデル、ヘリテイジ。大きなフェンダーにホワイトリボンタイヤ、ウインドスクリーン、本革仕様のサドルバッグなど、旅にノスタルジーをもたらしたい人にうってつけの一台となっている。
映画『ターミネーター2』で一躍人気モデルとなったファットボーイ。今は前後ホイールが17インチ化しているが、ディッシュホイールが放つ存在感は今なお健在。ブラックアウト&ロースタイルのファットボーイローと並んでソフテイルを牽引する。