VIRGIN HARLEY |  ストリートで目を惹きつけられる、スタイリッシュな纏まりが魅力のスポーツスターXL1200NS(アイアン1200)を試乗インプレ試乗インプレ

ストリートで目を惹きつけられる、スタイリッシュな纏まりが魅力のスポーツスターXL1200NS(アイアン1200)を試乗インプレ

  • 掲載日/ 2020年09月25日【試乗インプレ】
  • 取材協力/HARLEY-DAVIDSON 取材・写真・文/小松 男
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HARLEY-DAVIDSON XL1200NS(2020)
カフェレーサーのようでいながら、チョッパー的な味付けもされている。フリスコスタイルにも見えるそのスタイリングは、実はスポーツスターならでは楽しさを凝縮するためのひとつの手段でもあった。

走りとスタイリングのバランスが良く
様々なハーレーライフに適応する

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XL系、いわゆるスポーツスターは、20世紀ではシンプルかつ価格を抑えたモデルなどもあったため、ハーレーダビッドソンのエントリーモデル的な位置づけとされていたこともあったが、もっとも古くから伝わるスタイルとしてラインナップされる今では、こだわりを持ったモデルとして扱われるようになった。コンパクトなフレームにミッションケース一体型エンジンを組み合わせ、その名の通りロードレーサーやダートトラックレーサーなどとしても適しているスポーツ志向で纏められた車体は、一方でチョッパーやローライダーのようなストリートカスタムベースとしても重宝されてきた。

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マーケット戦略的に考えても重要なセグメントであるため、多くのメーカーカスタムモデルを輩出し、ボバースタイルのフォーティエイトのヒットや、カフェレーサー的存在のロードスターなど、個性豊かなモデルが揃えられている。そんなスポーツスターの最新モデルのひとつであり、2018年モデルとして登場したXL1200NS アイアン1200を紹介しよう。

XL1200NS アイアン1200の特徴

アイアンスポーツモデルをオマージュしながら
現代的なスタイリングで人目を惹きつける

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ハーレーダビッドソンの長い歴史を語るにおいて、スポーツスターの存在というのは外すことができない。リアサスペンションを備え、4カムサイドバルブエンジンを搭載したスポーツモデルであったKやKHをスポーツスターの始祖的なモデルだとして数えるならば、今年で68年にもなり、また現在も使われるイニシャル、XLを使った最初のスポーツスターが登場したのも1957年と古い。今回紹介するアイアン1200の名称は、初代XLが搭載していたショベルスポーツスターエンジンの鉄シリンダーにちなんで”アイアンスポーツ”という俗称が使われていたことに由来する。

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2009年からラインナップに加わっているアイアン883と、”アイアン”という名称こそ同じであるが、ビキニカウルやミニエイプバーハンドル、別形状とされたソロシートなどの採用により、見た目の雰囲気からして別物となっている。アイアン883がベーシックスポーツスターという位置づけと考えるならば、アイアン1200はパワーカスタムが施されたスポーツスターという印象を受ける。どちらのアイアンにも共通して言えることは、タイヤサイズやステップ、ハンドル位置からなるライディングポジションからみて、とてもオーソドックスなディテールで纏められており、スタイリッシュでありながらも走りも楽しめるものになっていると予想させることだ。それでは、アイアン1200に焦点を当ててインプレションをしてゆこう。

XL1200NS アイアン1200の試乗インプレッション

快活な走りを楽しむ人に向けられた
次元の高いトータルバランス

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アイアン1200を目の前にし、まずはその格好の良さに惚れ惚れした。私自身も以前XL1200Sを所有していたこともあり、スポーツスターのスタイリングそのものが好きなのだが、それにしてもアイアン1200は美しいとすら思わせるバランスの良さがある。印象に残るうえにデザインラインを損ねることのないビキニカウル、ほどよくセットバックされたエイプバー、強力な加速でもしっかりと下半身を支える形状とされたソロシート、太すぎず細すぎることもなく、フロント19・リア16インチでセットされたタイヤサイズなど、パッと見ただけでもまとまりが良く、乗りやすそうなことが伝わってくるパッケージとなっている。

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735mmのシートは、アイアン883よりも25mm低く抑えられ、人気モデルのフォーティエイトと比べると25mm高い数値ではあるが、多くのライダーがフレンドリーに接することができる高さだ。車体を起こし、エンジンに火を入れ走り出す。伝統的なミッションケース一体型のエンジンは低回転域では優しく、高回転まで回すにつれ荒々しい一面を見せる。チョッパーライクなハンドル位置は丁度良いと思える物であり、ミッドマウントとされたステップは、コーナー時にステップ入力がしやすく、バンク角もそこそこ確保されているために、見た目以上に軽快な走りを楽しめ、おのずとスポーティなライディングを誘ってくるものとなっている。

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アイアン1200と1週間ほど生活を共にし走り回ってきたが、街角に置けば「素敵なバイクですね」と声を掛けられ、一度走らせれば、心地の良いクルーズからスポーツライディングまで楽しめる。無理にカスタマイズしなくとも吊るしのままでも十分に満足のゆく仕上がりに魅力を感じる一台になっていた。

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同じスポーツスターファミリーで比較するなら、ハンドルバーなどからフォーティエイトスペシャルを購入の比較対象とする人もいるかもしれないが、ファットタイヤが採用されたそれとは、実際に走らせた際の印象がまったくと言っていいほど異なるものだ。兄弟モデル的存在のアイアン883と比べるならば、2020年モデルのアイアン1200の車両価格は139万4800円なのに対し、アイアン883は137万3900円で、その差はわずか2万900円しかない。両車は別物と言えるような仕上がりなので、比べるに値しないと言われればそれまでなのだが、アイアンという共通のネーミングを使われているモデルということで考えると、アイアン1200の割安具合を感じずにはいられない。883エンジンでも十分ではあるのだが、やはり1200ccエンジンの方が、パワフルかつスポーティな走りを楽しめるのだ。飛び切り際立ったキャラクターは与えられていないが、走りでも見た目でもウェルバランスとされたアイアン1200は、長く付き合える一台となることだろう。

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XL1200NS アイアン1200の詳細写真

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1202ccエボリューション空冷Vツインエンジンは、ボアストロークを88.9×96.8mmとするロングストロークタイプであり、最大トルク96Nmを僅か3500回転で発生させる。

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ステップはミッドポジションにセットされており、コーナー時に荷重入力がしやすいうえに、リラックスしたライディングポジションをもたらす。体格を問わず、自然なポジションを得ることができるだろう。

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ブラックで纏められた9本スポークリムに、100/90B19サイズのタイヤを装着。本格的なスポーツライディングを求めるとなると、ややダルな印象を受けるかもしれないが、素直にスポーティな走りを楽しめる良いバランスだ。

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アイアン1200のキャラクターを印象付けるビキニカウル。スポーツスターの中で唯一カウルを標準で装備している。コンパクトながらも防風効果があり、ハイウェイクルーズも快適なものとしてくれる。

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2本出しのエキゾーストシステムは、エボリューションエンジンの歯切れの良い音を奏でる上、ヒートガードまでもがブラックアウトされており、引き締まったイメージに寄与している。

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プリロード調整が可能なツインショックを採用する。購入後そのままという話もよく耳にするが、荷物の積載時や走るステージなどのシチュエーションに合わせて、調整することをお薦めする。

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ブレーキランプ内蔵型ウインカーは、もはやアイデンティティと言える装備。リアフェンダーは短めにカットされており、すっきりとしたデザインで纏めている。

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ミニエイプバーハンドルは、実際に乗車すると見た目ほどワイドではなく、自然にリラックスしたライディングポジションをもたらしてくれる。コーナーリングや取り回しも容易だ。

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シンプルなシングルメーターを採用。速度計をメインとし、下部のデジタル表示部に、回転計や時計、走行距離計などを表示させることができる。設置位置も良く、視認性は高い。

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タンクグラフィックはAMF時代のショベルスポーツスターをインスパイア。カラーバリエーションは、写真のビリヤードブルーの他にビビッドブラック、バラクーダシルバーの3色。タンク容量は12.5L。

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カフェレーサースタイルとされるソロシートは、絶妙な形状であり、乗車時にライダーの下半身をしっかりとサポートしてくれる。スポンジの質も良く、長時間乗車でも疲れにくい。

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ウインカースイッチは左右ボックスに分けられている。左スイッチボックスには、メーターの表示切替スイッチや、ホーン、ヘッドライトのハイ・ロースイッチなどが集約されている。

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