1923 JD
20年代初頭のハーレーのラインナップは、水平対向のW系モデルやフラットヘッドVツインを搭載するF系モデルなどが挙げられるが、ここに紹介するJDはその時代のフラッグシップモデル。
20年代初頭のハーレーのラインナップは、水平対向のW系モデルやフラットヘッドVツインを搭載するF系モデルなどが挙げられるが、ここに紹介するJDはその時代のフラッグシップモデル。
1927年式JDの貴重なサイドカーモデル。通称「船」は右側に付き、左ハンドルの外国車と同様にハンドル部は車体の左に位置する。前方から見ると船の先端は突起形状で、フレームは現行モデルと同じ三角形状が採用されている。
ハーレーのシングル、それは現代のマシンで言えばショートトラックで活躍するロータックスのシングルマシンであろう。1970年代までで言うなら、イタリアハーレー製の2サイクルやOHV水平シングルのアエルマッキである。
1917年、つまり大正6年に製作された、ボードトラックと呼ばれる板張りのオーバルコース用ファクトリーレーサーである。
ここに紹介する8バルブは、その希少性と美しさからコレクターの垂涎の的となっている。急な勾配のついた木製のボードトラックを駆け抜けた純レーサーだ。
21ciのOHV単気筒エンジンを搭載するピーシューターは、ダートトラックやシンダートラックなどのレースに使用されていた。
こちらの車両は「カスタムヒルクライマー」と呼ばれるセミレーシングモデルである。1927年のファクトリーBADの貴重なフューエルタンクが取り付けられたこのスタイルは、後のXLCRカフェレーサーに相通じるフォルムと言える。
ハーレーワークスレーサーは1916年に作られた1カム構造のモデル17にはじまり、19年の前後シリンダー別作動の2カムに発展し、ワークス用として確立した。
トレーリングリンク方式によるヒルクライマー専用のスプリングフォークが取り付けられた1930年式DAHヒルクライマー。
ノーマルフェンダーをボブカットした1939年型のELナックルヘッドTTレーサー。
サイドバルブの750cc4カムエンジンを搭載したWLが登場したのは1937年。その後アメリカは40年に第二次大戦に突入し、45年に終戦を迎えた。そして翌46年、純レーシングマシンであるWRが誕生。
スペシャル仕様であるリンカートのツインキャブレターを装備した1949年式のパンヘッドTTレーサー。このキャブレターはS&Sがデュアルスロートを生み出すきっかけともなったパーツである。
スポーツスターの原型となるKモデルは1952年にデビューしたが、それと同時に市販レーサーのKRも開発された。この時期のハーレーレーシング部門は覇気がなく、事実デイトナ200マイルでは1勝もできずにいた。
1964年から一周6kmのバンクが付いたクローズドコースとなったデイトナ200マイルレース。最高速を求めたハーレーダビッドソンカンパニーは、レーシングエンジンXR750をオンロード専用設計の「ローボーイフレーム」に搭載した。
70年に登場した鋳鉄ヘッドの初期型XR750の発展型、アルミヘッドが採用された72年式のXR750。この車両はダートラシーンの中心となってきた伝説のレーサーだ。
吸排気ともにサイドバルブ方式を採用したフラットヘッドを搭載した初めてのモデルがこちらの1929年式のDLである。このエンジンの寿命は長く、実に 1973年までの44年間に渡って採用された名機と言える。
OHVモデルが発表される以前のラインナップを牽引したサイドバルブエンジン。当時のフラッグシップモデルであるスペシャルスポーツのVLDとは違い、この車両は排気量74ciのローコンプモデル、しかも非常に珍しいポリス仕様である。
OHVエンジンを筆頭に高性能化する欧州モデルを意識する以前の純然たるアメリカンモーターサイクルは、サイドバルブであるというビンテージフリークは多い。
1937年にコンペティション用として誕生したWLDR。当初は29年誕生のR系ベビーツインRLDRの血統を受け継いだ3速仕様であった。
第二次世界大戦で活躍したWLA。国外に送り出されたWLAはそのまま現地に残り、米軍が駐屯していた世界各地でその名を耳にすることがあるという。
ドイツ車を手本にして軍用に開発されたシャフトドライブのXA750。エンジン形式はフラットツインを採用し、リアにプランジャーサスを装備して高い走行性能を実現。
WLモデルはその小柄な車体と750ccという排気量から「ベビーツイン」の愛称で戦前から日本国内でも親しまれてきた。
1937年に登場したU系のサイドバルブ。排気量74ciのU/ULなどのモデルに加え、80ciのUH/ULHなどのモデルがラインナップされていた。36年に61ciのOHVナックルヘッドが発売されたあとも、48年まで生産は続けられた。
美しいピーコックブルーに彩られた1949年式のWL。全体的にナックルヘッドモデルのイメージを凝縮したスタイリングであり、均整の取れたテーパーパイプ・スプリンガーフォークをはじめ、随所にその面影を見ることができる。