VIRGIN HARLEY |  骨格と心臓を新たにソフテイルモデルとして生まれ変わったローライダーの実力に迫る試乗インプレ

骨格と心臓を新たにソフテイルモデルとして生まれ変わったローライダーの実力に迫る

  • 掲載日/ 2019年03月19日【試乗インプレ】
  • 取材協力/HARLEY-DAVIDSON 写真/[メインカット]Ryokan [記事内カット]田中 宏亮 文/田中 宏亮

FXLR ローライダーの特徴

ハーレーダビッドソンの一時代を築いた
ローライダーの今のキャラクターを探る

FXLRの画像

1971年、FXスーパーグライドとともに生まれた新しいカテゴリー「FX」。それまでは現在のツーリングファミリーに受け継がれる「ツインショック型ビッグツアラー」と、スポーツスターの源流である「XL系スポーツモデル」の二軸で展開していたハーレーダビッドソンだったのが、この両カテゴリーの良いところ──XL系のスポーツ性能とビッグツアラー系のパワーを兼ね備えたニューカテゴリーとしてFXは誕生した。よく言えば斬新だった当時のウィリーG(H-Dカンパニーのデザイナー / 創業者ウィリアム・A・ダビッドソンの孫)の発想は、のちのダイナファミリーとしての地位を確立していった。

ローライダーはそんな流れを汲む1977年に登場。その名の通り、スーパーグライドのスタイルを継承しつつシート高をグッと下げたロー&ロングスタイルは市場で大きな話題となり、現代に至るまで圧倒的な支持を得るまでになった。

FXLRの画像

2013年まで一度もラインナップから姿を消したことがないローライダーがカタログ落ちした際(本国では2011年)には、ハーレーファンのあいだでも大きなどよめきが起こった。しかしその2年後の2015年、フルモデルチェンジを果たしたニューローライダーが登場。ハンドル位置やシートポジションを可変調整できる新機能を備えつつ、1978年のツートーンデザインを再現した”らしい”姿がお披露目されると、オールドファンからも喜びの声が上がった。フロントフォークが39mmから49mmへ強化され、全体的にマッシブな印象となった進化版ダイナモデルだが、ローライダーを想うカンパニーの気持ちが表れたワンシーンだった。

2018年、新たなリジッド型フレームと新型エンジン・ミルウォーキーエイトを手に入れたニューソフテイルは大きな話題を呼んだが、とりわけ注目を集めたのは「ダイナファミリーの吸収」と「ローライダーのソフテイル化」であろう。なまじローライダーの歴史を知る者にとって、後者(ソフテイル化)はなかなかイメージとして染み込んでこないところ。

「ツインショック型のダイナにも匹敵するスポーツライディング性能を実現できたことが、ダイナをソフテイルに吸収させた理由だ」とカンパニーは言う。ツインショック型ローライダーを見慣れてきた者として、ここに掲載されているニュー・ローライダーの真横スタイルは旧モデルと比べてまったく別の乗り物であるかのようだ。

FXLRの画像

ダイナとしてのFXスタイルを継承していることから、ホイールサイズはフロント19 / リア16インチとなっており、排気量1,745ccのミルウォーキーエイト107エンジンもクローム仕様に。バイザーが備わるラウンドヘッドライト、プルバック気味のハンドルバー、9スポークホイール、ショットガンタイプのエキゾースト、スピード & タコメーター内蔵のメーターダッシュと、ローライダーを良く知る人にとっては馴染み深いディテールで象られている。オールドファンには懐かしいスクウェア型テールランプも心憎い。ツインショック型フレームと異なって リアホイールのハブに向けて直線が伸びるリジッド型フレームのため、高いシートポジションを保つべく分厚いダブルシートが備わる。

走りに関しては、以前のローライダーと異なる部位としてフロントのディスクブレーキがシングル仕様になっている。また、FXFBファットボブやFXBRブレイクアウトなどに備わるリアサスペンション調整機能はローライダーでは見送られた。ABS機能や前後が連動するブレーキングシステムはもちろん完備されている。

近年のダークカスタムの流れとは違う流派を貫くクローム仕様のニューローライダー。高性能エンジンのパフォーマンスを最大限引き出すためのカーボンスチール製フレームはさまざまなモデルで高評価を得ているが、果たしてローライダーとの愛称はいかがなものか。先入観に囚われることなく真新しいバイクと向き合う感覚で試乗に繰り出してみた。

FXLRの画像

ローライダーの試乗インプレッションは次ページにて
1234
ピックアップ情報